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サッカー日本代表vsオーストラリア代表 ~適材適所のアギーレ采配も、光ったキャプテンの存在感

日本代表2ー1オーストラリア代表
得点者
【日本代表】今野(61分)、岡崎(68分)
【豪州代表】T・ケイヒル(92分)
さすがの采配を見せた世界を知るアギーレ!その一方、ザッケロー二がブラジルW杯で袋小路に陥った理由も明白になった2試合だった気がしました。

【スターティング】

課題を修正する”補強”メンバーとなるベテランが躍動し、老舗温泉から新しい源泉が湧いた完勝を経て挑む豪州戦

 4試合を経て、アギーレ監督は同格と言える相手に対して、新戦力やオプションのテストは行わらず、主力候補の選手を揃えて内容を求めてのチーム作りの完成度を重視。格下相手にテストをしたところで、それを公式戦本番で使える代物ではないという感覚を持ち合わせているのでしょう。
 つまり、本当の攻撃の切り札やオプションの選択肢は、公式戦や強豪との試合に置いて有効と見ており、格下から同格程度までの相手に対しては主力を固めて内容やチーム作りの密度を上げる事を選択しています。

 ブラジル戦で惨敗した課題を埋めるため、目前に迫ったアジアカップへの最後の実戦の場という時間的制限を埋めるため、対戦相手がホンジュラスとオーストラリアという日本と同じくブラジルW杯で未勝利によるグループリーグ敗退を喫した同格対決である事。これらを含めて、アギーレ監督は代表メンバーに予想通りと言えるベテラン選手の復帰を敢行。”補強”というイメージに近い格好で、ベテランの遠藤・長谷部・内田を招集し、長谷部にはいきなりキャプテンマークを託してスタートしたイレブンには武藤以外はブラジルW杯メンバーを並べたホンジュラス戦は6-0と圧勝。老舗の温泉から新しい源泉が湧いたと僕も喩えましたが、アルベルト・ザッケローニ監督時代と同じメンバーであっても、”アギーレ色”の出たショートカウンターやハーフカウンターと繰り出す攻撃と守備のバランス感覚とメリハリのつけ方が冴えた完勝でした。

 そのホンジュラス戦を経てのこの日のメンバーには、負傷の影響から右SB内田は欠場し、左SBだった酒井高徳が右SBへ回り、空いた左SBには10月の2試合で確かな存在感を示した太田宏介が入るのみの変更でスタートしました☆

【豪州代表】FIFAランク94位まで下降したアジアカップ開催国~世代交代とパスサッカーの導入でアップグレード中

 オーストラリアはブラジルW杯に3大会連続出場を果たしていました。
 しかし、現在のFIFAランクでも日本が52位なのに対して豪州は94位まで後退しているように、W杯予選の段階から延々と世代交代が進まないメンバー選考と試合内容の乏しさから出場権を獲得した後に、浦和レッズの監督を2度歴任してACL王者にも導いた実績のあるホルガ―・オジェック前監督を解任していました。
 
 昨年10月に就任した現在の指揮官アンジェ・ポステコグルー監督は、国内リーグでタイトル獲得とフィジカルだけに頼らないパスサッカーを導入した攻撃的なスタイルに定評を持つ指揮官。彼の下で大幅な世代交代が行われ、結果としてW杯は予選と本大会では全く別の選手構成に。
 チームは全敗でグループリーグ敗退を喫したものの、スペイン(スコアは0-3)、チリ(同1-3)・オランダ(同2-3)が同居したグループリーグで攻撃的な姿勢を終始貫いた戦い方は、大会ベストゴール候補のオランダ戦でのFWティム・ケーヒルが決めた豪快なボレーシュートに代表されるように、痛快かつ娯楽性と将来性のあるポジティヴな印象を残していました。全参加国が未勝利で敗退したアジア勢の中では最も良い試合内容とインパクトを与えていました。
 尚、主将のMFミル・ジェディナックはイングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレスでもキャプテンマークを巻くチームの顔でもある実力者。また、僕的にはこの日は1トップに入ってましたが、W杯では右ウイングに入っていた7番の23歳のFWマシュー・レッキーの鋭い突破力と積極性がインパクトに残っています。
 また、レポート内にも書きましたが、実はブラジルW杯での走行距離が参加32ヶ国中最高距離という運動量の豊富さにも特徴があるのは新生”サッカールーズ”(豪州代表の愛称)です。

 W杯後は開催国となる1月のアジアカップのためのメンバー選考を重視しつつ、これまでの4試合のテストマッチを欧州を含めたアウェイ戦で行う強化策を取りながら準備を進めています。日本と同じく国内リーグの選手の台頭を待っているという意味では、国内リーグでの経験が豊富なポステコグルー監督が指揮を執っているのは理に適っています☆