つまり、この日のバイエルンはペップのチームではない。6ゴールを奪ったものの、それはハインケスの遺産に頼ったからこそ出来た事であり、ペップの理想とするサッカーが完成した訳ではない。その証拠に、ペップは後半開始からシステムを4−1−4−1に戻している。
前半だけで5点を奪ったパーフェクトな4−2−3−1を捨て、後半を自身の哲学を完成させるための実験時間としたのだ。やはりゲッツェは中央に入り、共にゴールを決めて暴れまわっていたミュラーとレヴァンドフスキをサイドに回したのだ。
この事を見ても、やはりペップは前半のサッカーに納得していなかったのだろう。しかし、後半はシャビ・アロンソの直接FKが決まっただけで、流れの中から得点は奪えていない。それどころかポルトに攻める隙を与える事にもなった。ペップにとって前半は現実であり、後半は理想だったのだ。