赤ワインと生肉を食べずして美食の街を語るべからず
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「このヒト、ヨーロッパあっちこっち行ってんのよ」「じゃあ美味しいものいっぱい知ってるのね!何が美味しいの?! 」これは筆者の同年代女性=おばはんと呼ばれる方達との定番とも言える会話。色気が減る分、反比例して増幅する食気の向上は止まることを知らない。
伊トリノでは強さの象徴とされる牛。街中を散策するといたる所でウシさんをモチーフにしたデザインと出くわす。また欧州屈指の美食の都としても名高いのがこの街。ピエモンテ料理について詳しく紹介できるほどのグルメではないが、自信を持ってお薦めできるのは、ファッソーネ牛の生肉をオリーブ油·塩·胡椒のみで味つけ、レモン汁にチーズを添えた『Battutaバットゥータ=トリノ風タルタルステーキ』。
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この逸品ならば日本の食通マダムにも気にいってもらえるはず。ピエモンテ地方はカステルマーニョチーズ発祥の地でもある。
日本人の舌には油コッテリよりも、あっさり·さっぱりのほうが向いている。新鮮な馬刺や鳥刺など生食文化も日本独特だから目を丸くする外国人観光客も多い。麗しいカメリエーラに赤ワインのボトルを開けてもらい、グラスに注がれたワインとのマリア―ジュは至福のひと時。今や習慣となった食前酒=アペリティフも十八世紀の後半この街から広まった食文化である。
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