139〗Doosan Aréna / ピルゼン

美味さの証明 ビ-ルの消費量で無双のチェコ

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GWも本日で終了。日本気象協会によると明日からは夏日が続くとの予報。ならばビールを飲み干す量も回数も幾分増えそうな気配。日本国内で消費されているアルコールの半分以上は、ビール・発泡酒が占めるのだからビール好きは国民性と断言しても間違いではないだろう。キリンビール株式会社が発表した世界の国別ビール消費量統計では、国民一人あたりに換算するとランキングの頂点に君臨するのは中欧のチェコ。実は三十年以上首位をキープしており、王座を他国に譲る気配など微塵も感じられない。スタジアムでビール片手に熱い声援を贈るファンサポーターは、近隣の欧州他国に比べれば正直大したことはないのだが。それにしても日本人一人に対してチェコ人は五倍飲む換算になるが、驚くべきは日本の酒税率がチェコやドイツに比べて五倍どころか十五倍以上高いこと。仮に酒税を廃止すれば大逆転も夢ではないのか。
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つまり酒税の高さを競うワ-ルドカップがあれば日本は優勝国である。そんな大会誰か主催するのか。日本は’93年にプロリ-グが始動しここまで急成長したのはご存知のとおり。失われた三十年はバブル経済崩壊以降、低迷から抜け出せない日本を象徴するフレ-ズとして確り定着した。その中で上昇曲線を唯一描いているのはサッカー。日本代表のキリン、Jリ-グのサントリー、サッカーとビ-ルが切り離せないイメージだけはあるが、実際日本のビール消費量のピ-クは92〜94年、以降はやれ人口が減っているとか、やれ高齢化で若者がアルコールから離れているなど、長期的な減少傾向にある。チェコも周りのフットボール大国に比べればスタジアムを足を運ぶ人の数は知れているから、結局サッカー人気とビ-ル消費量に何の関係性もないのである。

具体的には350ml缶は店頭で230円ぐらいで販売されている。ビ-ルそのものの値段が160円だとすると残り70円は税金。一方ドイツやチェコのビ-ル大国の税金は四~五円くらい。
その日本の酒税が本年10月の法改正により、ビール・発泡酒・新ジャンルの税率は54.25円(350ml)に一本化されるらしい。ステレス増税ばかりのこの国で、ビ-ルが僅かでも減税されるのは有り難いがEUが酒税値上げを検討した際ドイツとチェコが鼻息わ荒くして猛反発したのを思い出した。この二ヶ国にとって、移民が増えようが、ウクライナとロシアがどうしたとか、そんなことより一番大切なのはビール。
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写真の新聞の日付22 DUBNA(四月)2014。チェコの新聞を複数手に取るとまったく読めないが、スポーツ面はフットボールとほぼ同じ面積をアイスホッケー関連の記事が締めていた。なるほど、欧州ではフットボールが人気No.1の競技と勝手に思い込んでいたが例外もあると気づかされたのは二十二年前。ガンブリヌスリーガ第25節、このシ-ズンは不振に踠き苦しむスラヴィア・プラハ。首位スパルタを追うヴィクトリア・プルゼニがアウェーながらで0-2でスラヴィアを葬ったと報じている。両チ-ムの選手名を見ても知っている名前は僅か数名。プルゼニで唯一プレーを見たことのある“彼”は出場しておらず些か残念な気分に。
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ボヘミア王ヴァーツラフ二世:Václav II【1271年9月27日生-1305年6月21日没】がピルゼン(プルゼニはドイツ語でピルゼンと発音)にビール醸造権を授与したのは1295年、その後ミュンヘンから醸造家を招き歴史の幕が上がる。英国のビールは硫酸塩が多く含まれる硬水を常温発酵させたエールビール。これに対してドイツは低温発酵のラガー製法。そして同じレシピでつくられたのがピルスナービール。ミュンヘンの重炭酸塩を多く含む硬水に比べピルゼンは軟水。水の違いが爽快な喉ごしを醸し現在日本のメーカー各社の主力商品も揃ってピルスナーの類。
またボヘミアといえばガラス工芸。こちらもルドルフ二世が手厚く保護したことで実現した黄金色の美しいビールとガラス器の視覚的な演出効果。相乗作用によって世界へと拡がる。元祖『ピルスナーウルクェル』は世界のビール通が楽欲を漁らむ一瓶。ガンブリヌスの需要が国内なのに対して、ウルクェルは国外に目を向けたブランド。1842年にチェコのピルゼンで誕生した世界初の黄金ピルスナーは後に引かない苦味が絶妙なのだ。