15〗Stadio Nea Smyrnī / ネアスミルニ

イズミルとスミルニ 二つの名前を持つ都市

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旅行代理店に勤務していたのは三十五年前。それでもエーゲ海に囲まれたトルコとギリシャ両国を巡る周遊ツアーが人気商品であることは今も変わりはないだろう。下写真はアテネからイスタンブールに向かうターキッシュエアラインの往復チケット。移動距離は片道五百六十キロだから羽田からなら伊丹より遠く、関空よりは近いのか。
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フットボールに限らすスポーツで追いつ追われつ逆転再逆転の展開で用いられる『シーソーゲーム』なる言葉。現在トルコ共和国が国土とするアナトリア半島の面積は広大でイスタンブールから東の国境までは陸路だと千八百キロは超える。トルコ第三の都市イズミルはフェリーで海上を最短で移動すればアテネまではら四百キロ。このイズミルはトルコ語の呼び方、ギリシャ語ならばスミルナとなるが、まさに両国の支配が交互に揺れ動くのはシーソーそのもの。紀元前千年頃には既にアイオリス人が暮らしており、半島に点在する各都市が同盟を組んだのが紀元前八百年頃。このスミルニを征服したのはコロポンのイオニア人で彼らが同盟に加えたとされるがどちらにしろ古代ギリシャ人。イタリア半島の北方から南下したラテン人がギリシャの影響を受けてローマを築き、やがて地中海世界の全域を支配する巨大帝国となる。四世紀には東西分裂(西ローマ帝国滅亡は476年)した後も、帝政がスミルニに繁栄をもたらした。
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