135〗Bosuil Stadion / アントワープ

英国人作家が『フランダースの犬』の舞台に選んだ街

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カバー写真はフライドポテト。おそらくこの呼び方は日本独自のもの。アメリカや香港でもフレンチフライ:French fries。フランスではフリッツ:fritesの名前で親しまれている。本場ベルギー訪問時には結構食べる。

1960年代のフランデレン(オランダ語圏)とワロン(フランス語圏)の対立の要因は経済格差にあった。ワロンでは失業者が増えフランデレンの税収に依存するのだから不満の声は北部で高まる。
2007年頃からこの問題に再び火が付いた。南北対立に加え小党乱立も相まって組閣が進まない。この間の無政府状態は、540日に及んだ。「早く政権固めろ!」とデモが起きたのは2011年。そのときベルギーを象徴するこのフードを手に街中を行進したから「フリッツ·デモ」とも呼ばれていた。日本人からすれば不思議に思えるかもしれないが、この国には全国規模の政党がない。右も左も政党が各地域政党のみ。つまり連立政権を組む前提で成り立っている。

では「何でフリッツ?」となるのか。実は農業大国のお隣オランダといえばチュ-リップとジャガイモ。
ジャガイモの生産量はEU内でドイツ、フランス、ポ-ランドに次いで第四位。国土面積ではフランスとは十三倍以上の開きがある。ベルギーは東西のフランドル州にエノー州でも生産が盛んで、世界最大の冷凍ポテト輸出国。オランダのフリッツ人気は元祖の隣国を凌ぐほど。つまりオランダ、フランスでも愛されるフリッツは当然ベルギー国内でも地域の枠を越えた国民食、共通の食文化であり、対立ではなく共存の象徴として掲げられたのだから、ジャガイモは侮れない。
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一次大戦で荒廃した国土と施設の再建を世界にアピールしてベルギー国家の復興に一役買ったのが1920年のアントワープ五輪。日本人選手初のメダリスト誕生もこの大会。種目はテニスだったから意外な気もする。
2000年に開催されたUEFA欧州選手権の開催四都市のオランダ側はアムステルダム/ロッテルダム/アイントホーフェンと三強の本拠地にアーネムだった。一方ベルギーは首都ブリュッセルにブルッへのオランダ語圏、フラマン=フランス語圏のリエージュとシャルルロワが選ばれている。