あの日あの時は■2016年8月4日UEFAヨーロッパリーグ三次予選第二戦 スパルタク·トルナヴァ対アウストリア·ウィーン
初戦の会場はウィーンのエルンスト·ハッペル。フットボールでは度々起こるジャイアントキリングと言ったらスパルタク·ウルトラスは怒るだろうか。後半キックオフ直後にロベルト·タンベ:Robert Tambe【1994年2月22日生】が奪った虎の子の一点を守るため、トルナヴァには後半だけでも七枚のイエローカードを提示される荒っぽくも決死の守りでギリギリ凌ぐ。ファウルの数はアウストリアの十に対し倍以上、二十七回もの笛が吹かれた数字が試合を物語る。五万人収容のスタジアムに当日六千八百人の観客。その半分までいかなくても三千人はトルナヴァのサポーターが観客席を占拠した。試合後の熱狂と歓喜が目に浮かぶ。
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人口六万五千の街で一万七千を動員した隣国対決
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この試合で主将を務めたのは地元出身のマルティン·ミルコビッチ: Martin Mikovic【1990年9月12日生】。上写真はアウストリア戦の一年二か月前にジリナで撮影。迎えた翌週のホームゲーム。19,200人収容のマラチンスケーホに17,152人の観客が詰めかけた。上下ストッキングまで純白のアウェーユニのアウストリアはこの日もシュートを積極的に撃ちまくるが堅い守りに阻まれる。スコアレスの状況で先に動くのは当然アウストリア。ケビン·フリゼンビクラー:Kevin Friesenbichler【1994年5月6日生】とイスマエル·タジューリ=シュラディ:Ismael Tajouri-Shradi【1994年3月28日生】の二人を投入。前線の人数を増やし前がかりに。この采配が奏功し残り二分でフリゼンビクラーが頭で決めた。延長戦では決着がつかずPK戦へと突入する。双方失敗者の出ないまま五人目のキッカーとして登場したのは、殊勲の同点弾を決めたフリゼンビクラー。GKが左に飛んだのを確認してど真ん中に丁寧に蹴る強心臓。二十二歳とは思えない憎らしいほどの冷静さ。
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そして最期に登場したのは白い主将章を左手に巻いたミルコビッチ。対峙するのはオレンジの腕章を巻いたスキンヘッドのロベルト·アルマー:Robert Almer【1984年3月20日生】この試合の二か月前に開催されたUEFA欧州選手権2016フランス大会では全三試合にフル出場した当時オーストリア最高のゴールキーパー。
ミルコビッチの振り抜いた左足から放たれたボールはややコースが甘かった。ピッチ上俯せに倒れ込むと仲間が駆け寄ってもしばらく立ち上がれなかった。この試合の映像をYouTubeで見つける。BGMにはスウェーデン出身の人気DJのアヴィーチー(本名:ティム·バークリング:Tim Bergling【1989年9月8日生-2018年4月20日没】)の大ヒット曲『ザ・ナイツ』(2014年)が驚くほどハマっている。素人がこさえた見るに堪えない動画が散見するYouTubeではあるが、この作品の編集はシンプルで非常にセンスが良く気に入っている。最後のPK失敗シーンの前で終了しているのもよい。
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