ユースを欧州一に導いたマネー(フット)ボール
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プラン·クライフが始動する直前ではあるが、このデ·トゥーコムストを見る限り、この時点では、アヤックスとAZを比較すると育成環境において大きな差が開いていたのは間違いない。エーンホーンは就任後、先進的なデータ分析部門の設立に迅速に着手し、担当者の人手を増やすと、1100万ユーロの予算でユースアカデミーのトレーニング環境を改善、育成組織と若手への投資を重視した。その成果が遂に実を結んだのが2022-23UEFAユース·リーグ。オランダのクラブとして初の決勝進出を果たすとクロアチアのハイドゥク·スプリトを破っての戴冠。これはオランダ国内のみならず欧州でも屈指の”育成の”名門として一目置かれるアヤックスのファン·サポーターは苦虫を噛み潰しながら歯ぎしりをるしかない。但し前述のとおり、フース·ティル、コープマイネルス、ワインダルと、エーンホーンGM就任時AZU18ユ-ス世代からは、一学年ごとにA代表プレ-ヤ-を輩出しているのだから育成投資への効果は、早い段階でその兆しが芽吹いていた。十五年前、紙面を流し読みして眉間に皺を寄せたAZの負債額は、今や有望な若手一人の移籍金でペイできる時代。文字にするのは、簡単ではあるが、この育成環境を整えるのにどれ程の資金と労力を費やしたことか。オランダ版“マネー(フット)ボール”の成果は実を結んだようだが、まとめきれなかったので次回も引き続き、AFASスタディオン編。〖第二十五話了〗

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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:有坂かずさ