国内で才能を見いだせば 音楽の都の赤牛が買う
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ドムジャレで記憶に残っていたのはミハ·マティヤシェツ:Miha Matjašec【2009年2月22日生】のレッドブル·ザルツブルク移籍。オーストリア通信社APAが報じたのは昨年の三月。オリンピア·リュブリャナ戦でトップチームデビューした十六歳のミッドフィールダー。契約期間は’28年6月末まで。気になる移籍金は150万€で合意したはず。選手の将来の移籍金の一部もドムジャレの懐に入るボーナスも確保。マティヤシェツの今後だが、お決まりのコ-スである二部リーグのリーフェリングに貸し出し経験を積ませるのは間違いない。
マティヤシェツは、故郷である北東部プレクムリェ地方のチュレンショフツィでキャリアをスタートさせた選手。U-17チームまでは地のクラブで育てられ’24年にドムジャレが獲得して一年での売却となった。
実はドムジャレの見事な商売は現在マンチェスター·ユナイテッドでプレーするベンヤミン·シェシュコ:Benjamin Šeško【2003年5月31日生】の時とまったく同じパターン。ラデチェ市出身のストライカーは’18年にクルシェコユ-スから獲得し翌19年には250万€でレッドブルザルツブルクへ。そこで鍛えられ’23年に同じ飲料グループのライプツィヒで独ブンデスリーガデビューを果たした。
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放映権高騰とオイルや一時のチャイナなど外資流入により移籍金·報酬が異常に高騰する危険性は以前から指摘されている。クラブ運営の持続可能性が懸念される中でのドムジャレ消滅。今月23日実破産管財人であるラディスラフ·ハフナー:Ladislav Hafner氏が債権回収を完了し最終報告書が公開された。名乗りを上げた債権者は百五十人以上。その中にはマティヤシェツも含まれる。2025年の単年度だけで380万€もの損失を計上し、破産手続き開始時点で636万€もの負債を抱えていた。それにしても、破産宣告の翌晩、何者かがドムジャレのスポーツパーク内に侵入し、七千€ 相当の理学療法機器を持ち去っている。警察が現場に到着した際に外部から侵入した明らかな痕跡はなかった。ドアや鍵の損傷はなく、窃盗がどのように行われたのかなど多くの疑問が残ったまま。その後犯人は捕まったのだろうか。〖第百三十八話了〗
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:恵瑠