138〗Športni park Domžale / ドムジャレ

何かがおかしい 咄嗟に試される適応力が欧州を旅する醍醐味

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リアルタイムな情報収集及び拡散など今では生活に必要不可欠なSNS。個人的にインスタグラムの重要性を思い知らされたのは昨年2月。
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ドムジャレ対オリンピア戦の撮影許可は当然おりていたからリュブリャナ駅前から路線バスに乗車した。十三キロの距離を二十分で到着。キックオフまでまだ三時間あるからカフェで時間を潰す。三十分が過ぎただろうか。スタジアムまで歩を進めたが何かおかしい。人の気配がない。テレビ局のクル-や、飲食物の納品業者の車がこの時間駐車場にないはずがない。クラブ広報からもメ-ルは届いていない。そこで直感的に開いたのがクラブのインスタグラム。
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すると画面にはこのバナ-画像が張り出されていたからオ-マイガァである。PRELOŽENOはスロベニア語で「延期」を意味する単語。Jリ-グでも台風や積雪など悪天候による試合延期は度々起こり得る。例外としては記憶に新しい昨年松本の設備破損ぐらいだろう。この選手の体調不良多数による試合延期は欧州でもレアなケ-ス。ここは筆者の状況対応力が試されていると諦める。
今から移動してキックオフに間に合う距離で試合は開催されているのか?果たして… そもそも木曜にオリンピアがECLでドロー。二試合合計スコアで敗退した試合を取材した時から中二日での試合はキツい日程だとは思っていた。しかしこの殺人的スケジュール、オリンピアよりも上には上がいる。木曜キプロスで勝利し凱旋帰国を果たしたのはツェリエ。ドムジャレよりも試合開始時間が遅いのが救い。何よりツェリエは二年前にスタジアムを訪問しており、道に迷う心配ない。チケット売場のお姉さんの「エンジョ~イ」の言葉に手を振って応え、走ってスタジアムの中は入るとキックオフから八分が経過。試合は疲労困憊でホ-ムチ-ムが苦戦する予想は外れ、ラドムリェ相手に9-1の大勝で男を上げた。
この男を上げるという言葉、今ならば男女平等を重視するから女を上げるとも表現すべきかもしれないが、能力発揮で地位向上の意味合いよりも、個人的には義理を果たした人に対して用いるようにしている。この試合チケットを購入したファンサポーターの数は欧州五大リ-グのメジャークラブに比べれば僅かでも義理を果たしたツェリエの選手達には心からの拍手を贈ってリュブリャナへと戻った。
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男を上げた中には元ドムジャレの二人の姿。途中出場でアディショナルタイムに九点目のゴ-ルを決めたのはテイマー·スヴェトリン:Tamar Svetlin【2001年7月30日生】。昨年九月のワ-ルドカップ欧州予選スイス戦では後半途中出場でチェリンとは懐かしのダブルボランチが復活。今季はポーランド·エクストラクラサのコロナ·キェルツェでプレーしている。そしてもう一人はセンターバックのダムヤン·ヴクリシェヴィッチ:Damjan Vuklisevic【1995年6月28日生】。チェコのスロヴァン·リベレツからの移籍。’22年の冬に移籍するまで六十七試合に出場した。A代表招集こそないが、間違いなくスロベニア国内では屈指のセンターバックのひとり。