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森保一監督とサンフレッチェ広島の『1年半計画』(後編)

クラブW杯で大きく成長を遂げた”優勝の立役者たち”

(前編)より、

 リーグを2連覇した主力選手に対して、優秀な下部組織を持ちながらも若手は主力との差を感じつつあった。それがACLで未勝利に終わった2013年前半戦の不振、MF青山敏弘とFW石原直樹(現・浦和レッズ)の負傷離脱の穴を埋められなかった2014年夏の急失速の理由と言われても仕方がなかった。

 そんな中、やや閉塞感もあったチームをいったん崩した森保一監督の判断は、おそらく2015年シーズンに向けての布石だったのだろう。結果的には土台となる後方のメンバーにあまり変化はなかったものの、せっかく積み上げたジェンガ(積み木ゲーム)を崩すのは大きな勇気が必要だったはず。失点急増とはいえ連覇したチームの主力をいったん壊すと、優勝しても主力選手が流出してしまうサンフレッチェにとってはそれに拍車がかかるかもしれない。実際に10番を付けていたMF高萩洋次郎(現・FCソウル)とFW石原、DFファン・ソッコ(現・鹿島)は退団したが、森保監督からすれば、同じジェンガを積み直すだけでは進化はない、とも考えていたのではないか?

 森保監督がいったん選手起用のヒエラルキー(優先順位)を崩して再構築したチームには、MF野津田岳人やFW浅野拓磨といった若手が台頭して底上げが成された。2015年の新加入組は地味な補強と思われたが、DF佐々木翔やFWドウグラス(現・アルアイン/UAE)が大活躍し、柏好文と柴崎晃誠の加入2年目を迎えた両MFも進化を遂げ、2連覇時とはひと味違ったチームが出来上がった。そんな2015年シーズンにサンフレッチェはJ1リーグが18チーム制となった2005年以降では最多となる勝点74を記録し、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップをも制した。

 
 優勝の要因を問われたチーム最年長の生え抜きMF森崎和幸や主将のMF青山は、「試合に出ていない選手たちとのガチンコの紅白戦」を挙げた。そして、その試合に出ていない、“優勝の立役者たち”は、開催国王者として挑んだFIFAクラブW杯で大きく躍動した。

 同大会、サンフレッチェ広島は南米王者のリーヴェル・プレートに敗れたものの、4試合で3勝を挙げて世界3位に輝いた。その4試合中3試合で、森保監督は前の試合から6人もの大幅な先発メンバーの変更を行った。そして、6人替えの3試合を全勝した。そのピッチで躍動したのは、主力になっていた浅野はもちろん、FW皆川祐介やMF茶島雄介、野津田、DF宮原和也といった2014年夏の改革時に先発に抜擢されていた若手だった。MF丸谷拓也も十二分にチカラを付けて来た。

 やはり、2015年シーズンの王者奪回の要因は、2014年の夏に行われた改革にあると言えるだろう。

『2014年夏の決断』を忘れない!

 そして、筆者はコレを森保監督とクラブによる1年半に渡るチーム作りを『2014年夏の決断』と呼ぶ事にしたい!

 今季のACL初戦・山東魯能戦(中国)はホームでありながら1-2と敗れた。フジ・ゼロックス・スーパーカップから先発メンバーを6人替えた森保監督に批判も集まるかもしれない。しかし、このクラブW杯から始まった先発6人替えは今季何度も観られるだろう。「我々には2チーム分の戦力がある」という森保監督の言葉には、実績がなく名前だけ見れば無名の選手の多い控え選手を見て、「それは嘘だ。ACLを捨てている」と非難する者もいるだろう。

By | 2017-04-21T21:51:37+00:00 3月 12th, 2016|Categories: J1リーグコラム, コラム|Tags: , |0 Comments

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hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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