Foot ball Drunker 〔108〕visiting 『Başakşehir Fatih Terim Stadium』イスタンブール/ トルコ

制服が瀟洒なターキッシュとアリタリア

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今でこそリラといえばトルコの通貨だが、€に変わるまではイタリア。ローマからイスタンブールは、陸路にして2,200キロ。民族も言語も異なる両国の通貨単位が同じだったのは未だ謎のまま。ラテン語で天秤を意味するlibraが語源ならば、19世紀半ば~20世紀初頭に西欧の言語を取り入れた“新オスマン語”が誕生しているから単なる偶然か。

『空白の一年』のフレーズは、小説や映画で度々目にするが、自身に降り掛かる日が訪れるとは。感染症拡大による2020年3月の成田空港搭乗拒否から2021年9月までの一年半はまさに空白。その間UEFA欧州選手権だけは何試合かTV観戦したものの、その他欧州蹴球情報を遮断していた。そのため一年後、2020-21のUEFAチャンピオンズリーグに、イスタンブール·バシャクシェヒル=IBSSKが出場していたから吃驚。3節でマンチェスター·ユナイテッドから大会初勝利を挙げていたから更に吃驚の二乗。


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IBSSKのファンショップは、スタジアムと連結した建物にあったが、レジカウンターの後ろに並べられたマフラーのコレクションが其れなりに盛感。一番右端はインディアンの横顔。二年前のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ。KAAヘントとのラウンド16が現時点では最後の国際試合となる。
第108話は、2014年に完成したバシャクシェヒル·ファティ·テリム·スタジアム。建設業社は国のインフラ整備を担当するにカルヨン·ホルディングス。この年着工したイスタンブール新空港建設共同プロジェクトの五社にも当然名を連ねていた。


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三年間の工期を経て完成した新空港のお披露目にあわせ、創立85周年の同国フラッグキャリア:ターキッシュ エアラインズも客室乗務員制服を一新。イタリアのファッションデザイナー、エットーレ·ビロッタ:Ettore Bilottaとのコラボ作品。ミラノを拠点にとするビロッタ氏は2016年には母国のアリタリア航空の制服も手掛けている。


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IBSSKのアウェイユニフォームの胸には今季もターキッシュ·エアラインズのロゴ。そして一昨年からはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の公式スポンサーに。世界120を越える国とのネットワークで、現在就航国数における世界最多の同社。2016年のUEFA欧州選手権でパートナー企業に名乗りを上げ、一業種一社の狭き門であるCLスポンサーに航空業界からは初のエントリー。


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感染症の収まらない日本国内に比べ、検査や接種証明など面倒でも渡航が可能になったのは’21年の秋。IBSSKはウディネーゼから元イタリア代表ストライカーのステファノ·オカカ:Stefano Okaka Chuka【1989年8月9日生】を二年間のレンタルで獲得。 
四節でトルコ初見参。五節のホーム、ファティ·テリムで先制弾を決めフェネルバフチェ撃破に貢献。翌月9節のベシクタシュJK戦では2得点(スコアは3-2)12月17節の敵地ガラタサライ戦もシーズン9得点目の先制ゴールで貴重な勝ち点1を持ち帰る。イスタンブールの三強全てからゴールを奪った背番号は77はスュペル·リグで傑出した存在としての輝きを放っていた。

両親ともナイジェリア人ながら十代から一貫して代表はアズーリを選択。A代表デビューはパルマからサンプドリアに貸し出された2014-15シーズン。筆者が初めて生オカカを目にしたのはセリエA9節10月29日のサンシーロ。


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