欧州蹴球文化探訪 ベルギーの光と闇 第十六話 プレミアに集いし新たな俊英

 一昨年アンデルレヒトからトッテナムが引き抜いたモロッコ系ストライカー、イスマイル・アザウィ(1998年1月生まれ)。今季ヴォルフスブルグに移籍して11月の第13節で既にブンデスリーガ―デビューを果たした。一歩後れを取った盟友アルペル・アデモグル(1998年4月生まれ)も先月、シャルケ04との契約が決まり、ドイツでの出世争いでトルコ系ミッドフィルダー巻き返しを狙う。

u-17 13-14 RSCA ISMAIL AZZAOUIAlper Ademoglu

 2013年にクラブ・ブルージュからストークシティに移籍したジュリアン・ヌゴイ(1997年11月生まれは)アントワープ出身のストライカー。その後に続くのはティボー・フェリンデン(1999年7月生まれ)をはじめとする昨年U17ワールドカップで銅メダルを獲得した世代。2010年までクラブ・ブルージュ、そして昨年赤白縦縞に袖を通したフェリンデン。青田刈りに勢を出すのはビッククラブだけではない。

JULIEN NGOY

 さて十代で海を隔てた隣国へとステップアップしたベルギー人と言えばこの人抜きでは語れない。サー・ファーガソン自ら交渉に乗り出したマルコス・ペライラの息子アンドレア。

ANDREAS PEREIRA

 赤い悪魔のティーンエイジャーが2014年U20ワールドカップ決勝の大舞台でゴールを決めた時、その姿はカナリア色へと変貌を遂げていた。国土は狭くともベルギーの選手層の厚さは今やブラジルを凌駕しつつあり、アンドレアの選択も賢明と言えるだろう。黄金世代と呼ばれて久しい現A代表ではあるが黄金時代は今幕を開けたばかり。お楽しみはこれからである。