32〗Aspmyra Stadion / ボ-デ

若き日のイブラとの北欧対決 ノルウェ-の強豪を駆使したNo.7

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自宅の庭に巨大コンテナ船が突っ込んだ座礁事故。予想もつかない驚くべき事故が起こったのはノルウェーのトロンハイム。キプロス船籍らしいが、人名被害がなくて何より。かつては二ーダロスの名前で王国の都だった時代もある。EU非加盟ではあるがNATO創設のメンバー国のノルウェー。このコンテナ船の驚愕ニュースの二日前。政府はボーデに航空作戦センターを設けると発表した。当然ロシアを意識しての防衛対策。

三つのUEFAコンペティションも本日カンファレンスリーグ(ECL)が終了。来週のチャンピオンズリーグ(CL)決勝戦を残すのみ。PSGとインテルの対戦は新鮮味では申し分ない。今まで公式戦で対戦していないのが不思議な伊仏の名門対決。この両クラブの名前が並んでまず頭に浮かぶのはスウェーデン、否 北欧至上最高のストライカー、ズラタン·イブラヒモビッチ:Zlatan Ibrahimović【1981年10月3日生】の髭面。

一昨年の引退発表、アヤックス時代の懐かしいユニフォーム姿がオランダのヘト·パロール紙面を飾ったから、ミラノにパリ、バルセロナの各都市でも同様に写真と活字が紙面を賑わせたことだろう。引退後はネット上で、ミランのシニアアドバイザーの立場でのコメントを目にする機会が多い。コースターのオッドアイランドブリューイングはイェーテボリ南近郊の街リンドメにある醸造所。六月末にはコペンハーゲンからイェーテボリに入っている予定。北欧を久しぶりに訪問する。
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ワールドカップの自国開催の興奮が冷めやらぬ2002-03のCL。一次リーグのグループDはインテル·リヨン·アヤックスにノルウェーのローゼンボリBKが同組に入った。10月2日と22日のグループDでアヤックス·アムステルダムはノルウェーのローゼンボリBKとの連戦。敵地での初戦はスコアレス。アムステルダムでの二戦目もズラタンの先制点を守りきれずドローの痛み分け。この二試合とも中盤の底で攻撃の司令塔を務めたのが、背番号7のエルヤン·ベルク:Örjan Berg【1968年8月20日生】。ドイツのTSV1860ミュンヘン移籍で母国を離れ、1992-93シーズンにはバーゼルに加入、’96年にボデ/グリムトに戻った後ローゼンボリでCL出場を果たす。’06年のシーズン半ばに故郷のボ-デに戻り、二年前から悩まされてきた怪我の治療に専念。しかし回復することなく’07年引退を決断している。
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第32話はオスロ·ノールラン県の県都、ボーデにあるアスプミュラ·スタディオン。オスロから八百キロの距離。空路でなければ少々きつい。この街を訪れる大半は北極圏近くでしか見られないオーロラ目的の観光客。ノルウェー鉄道の終着点となる駅まで徒歩移動(約二キロ)も可能なほど街中近くにあるのがボーデ空港。その滑走路は空軍の戦闘機と共有している一本だけ。

ノルウェー南部に位置する首都オスロ(神の牧草地の意味)の人口は七十万人弱。南西部の旧首都ベルゲンが三十万人程度。中部のトロンハイムが第三の都市で二十万人にも満たない。しかし同国のフットボールに関してはこの街が首都。1917年創立のローゼンボリBKは1992シーズンから怒涛の十三連覇を達成。1996-97シーズンのCLでは堂々の八強進出。2015年から18年にかけても四連覇。

しかし、現在ノルウェー一部リーグ=エリテセリエンには、人口僅か六万人の街から黄色と黒の新しい波が押し寄せている。今季のUEFAヨーロッパリーグ(EL)。三月のベスト十六でアイントラハト·フランクフルトにホームでまさかの逆転負け、敵地の第二戦で姿を消したアヤックス。一方ボーデでは前年のECLリーグ王者が0-3で完敗。第二戦は敗れても三点の貯金がものを言う。ここからは俄かボデ·ファンとなりELの結果を追うことに。ちなみに昨年のECLで顔をあわせたアヤックスとボデ。延長戦で退場者を出してしまい、涙を飲んだもののボデの健闘は光った。
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同胞を長く共にプレ-させることで磨き上げた連携

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ボデ/グリムトは時代に逆行したクラブチームである。昨年のアヤックス戦のスタメンで外国人はその退場者、デンマーク人のアルベルト·グレンベーク:Albert Grønbæk【2001年5月23日生】だけだからスカンジナビア色100%。
あの日あの時は■2021年10月21日UEFAカンファレンスリーグ:グループC ボデ/グリムト対ASローマ それまで欧州でまったく無印だった北極圏のクラブが欧州のフットボールファンにその彗星の存在を強く印象づけた試合。6-1のスコアでローマに完勝。
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