Foot ball Drunker 〔92〕visiting 『Estádio 1º de Maio』ブラガ / ポルトガル

クリスプブレッドは フットボールに似ている

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欧州の伝統的な食べ物にクリスプ·ブレッドがある。ブレッド=パンなのだが、北欧ではクラッカー状の薄い形状のパンを指す。一方南欧でクリスプ·ブレッドといえば、ドゥルセソル社の製品が頭に浮かぶ。

欧州の伝統的な食べ物にクリスプ·ブレッドがあるブレッド=パンなのだが、北欧ではクラッカー状の薄い形状のパンを指す。一方南欧でクリスプ·ブレッドといえば、ドゥルセソル社の製品が頭に浮かぶ。


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鼻腔を蕩かすのはオレガノの香り。まずはそのままひとくち。お薦めは塩とオリーブオイルを少々加味して頬張ってもらうと良い。

1950年代にヴァレンシア近郊のヴィラロンガで創設された同社。現在はスペインを代表する食品メーカーへと発展。このトマト味を初めて口にした時、「まいう~」と漏らした気もするが欧州の味はフットボールと相通ずると感じた印象は今も変わらない。


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ポルトガル第三の都市ブラガにあるエスタディオ·マイウ~・・・ではなくマイオ。
古の都にスタジアムが誕生したのは1950年。外壁、外構部、更には全席石段なので座布団持参を強くお薦めする。石積みを目の当たりにすると竣工まで四年を費やしたのにも納得。1974年カーネーション(無血)革命により独裁政権に終止符が打たれた際、現在の1·デ·マイオ(5月1日)=メーデーに名前が変更された。

カバー写真の麦酒は日本でも入手しやすいスペインビールの代表格“エストレージャ·ガリシア Cerveza(セルベッサ)·エスペシャル”の小瓶。その名の通り、スペイン最北西部ガリシア州アコルーニャで醸造されている。スペインの中でも特に異端の文化で知られるガリシア。その昔ゲルマン民族の大移動でスエビ族はイベリア半島にガリシア王国を築いた。500年頃は、現在のポルトガルまで領土を拡大。移住者の最大の集約地となったブラガ(当時のブラカラ·アウグスタ)は、スエビ(ガリシア)王国の首都となる。
確かにブラガからだとリスボンよりもアコルーニャのほうが近いしヴィーゴまでなら車で二時間もかからない。


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ブラガ市内に到着した際にドゥルセソル社のロゴ入り車両を複数見かけた。スペイン国外、フランスやイタリアでも販売はしているので不思議ではない。島々を含むポルトガル国内のプロモーションを手掛けている販売代理店はホセ·マヌエルD.フレイタス社はブラガ所在の企業。GOOGLEマップに表示された位置は北部と南部の二か所。いずれもスタジアムから1~2キロの距離にある。

撮影した写真の日付は2018年4月15日。二部リーグにエントリーしているブラガとビットーリア·ギマランイスのセカンドチームが対戦。紙面順位表に目を通すと16位と10位。一部リーグ昇格を目指すクラブと比べたところで、意味はない。ブラガ県ミーニョ地方の両クラブによるダービーとあって、スタンドからは(意外に)熱気を感じたのだが、この写真はバックスタンド側なので無人。3万人収容で300人程度の観客がメインスタンド側にいたはず。


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ポルトガルのスタイルは隣国スペイン同様、基本細かく繋ぐ。ビルバオなど地域によってバラつきもある大国に比べ、全国ほぼ同じ志向。《個の力》を重視する傾向も強い。