Foot ball Drunker 〔53〕visiting 『Hristo Botev Stadium』プロブディフ / ブルガリア


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11月11日の土曜は、クルジヤリに行きたかったが公共交通機関がない。正確にはプロブディフ市から出てしまうと日曜の試合に戻れなくなる。西側に比べ同国のインフラ未整備を最も実感するのが鉄道網。そこで3部の試合を取材をする事に。


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エミル·ナイデノフ:Emil Naydenov【2007年02月12日生】は、相手がアマチュアチームとはいえハットトリックを達成。なかなかに将来有望な16歳。先月のU17欧州選手権予選にも出場している。


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ブルガリアフットボール協会(BFU)がUEFAに対して、今月16日のEURO予選ブルガリア対ハンガリー戦をソフィアからフリスト・ボテフ・スタジアムへ変更を要請したのは完全な勇み足。
UEFAの了承を得たものの一度は同意したプロブディフ市が掌を返す。現在の作業工程はクラブのプログラムに合わせて調整されており、急遽中断しての試合開催となれば安全性を損なうと建設会社が猛反発。ズドラフコ·ディミトロフ:Zudravko Dimitrov【1963年5月22日生】市長自ら撤回を発表した。

2019年より同職を務めるディミトロフ市長は、今年になってスタジアム建設と国際プロブディフ見本市の所有権を巡るスキャンダルを理由にを辞任を要求されたが断固拒否。プロブディフ大学で、スポーツ教育学の学士号、心理学の修士号、行政学の修士号を取得。80年代はパスケットボールのブルガリア代表選手として活躍、現在も協会の理事に名を連ねている。


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さて、ハンガリー戦はここから前代未聞の大騒動へと発展するのだが、続きは暫く時間を置いて別の機会に。

労働力流出と少子化 人口減少世界一の悒鬱

社会主義時代できなかった西側への労働移住。1989年に共産党支配の終焉で人々の移動は自由になり未来はバラ色に思われた。
2004年3月にNATO加盟、そして’07年1月にはEU加盟を果たしよりEU域内の移動は円滑さを増した。その結果低賃金等を理由に国外へ若者は流出、医師やIT技術者など専門の知識·技能を持つ労働者の不足していながら失業率は高い。更に出生率の低下が著しくブルガリア世界で最も人口が減少すると予測されている国となってしまった。


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ドイツや北欧への流出を留め、出て行った国民を呼び戻す施策として、インフラ·経済·教育など改善すべき問題は山積。目の前でボールを蹴る少年達の何人がこの国での生活を選択するのだろうと考え些か悒鬱にもなる。[第53話了]