Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 293
no-image

【図解】バイエルン不振の原因は? 〜ヴォルフスブルクとシャルケ戦〜

 1月25日から再開したブンデスリーガで、少し世界を驚かせる2試合があった。ヴォルフスブルクがバイエルンに4−1で勝利した試合と、シャルケがバイエルン相手に1−1のドロー。しかもバイエルンの選手が1人退場になるなど、前半戦無敗だったバイエルンを慌てさせる展開となった。

この2試合にはある共通点があった。そして世界最高の監督と呼ばれるペップにしては、何とも考えが読み取りやすいシステム・選手配置を敷いていた。そこから読み取れるバイエルンのジレンマ・・・。悲願のブンデス、DFB、CLの3冠は叶うのだろうか。

☆バイエルンで起こったプレス問題

 まず後半戦開始後1発目の試合となったバイエルンとヴォルフスブルクの一戦から。バイエルンは普段通り4−1−4−1のシステムで臨んだ。試合開始から終了までを通して、バイエルンに何か変化があったとは思わない。戦術にも大きな変更点は無く、前半戦同様のパフォーマンスと思われた。
ただ、唯一気になったポイントがあった。ヴォルフスブルクがバイエルンのプレスをかわすシーンが目立ったのだ。バイエルンにボールを支配される事を分かっていたヴォルフスブルクは、カウンターから勝機を見出そうと奮闘していた。
いつものバイエルンであれば、ボールを失っても素早いプレスで奪い返してしまうものだ。しかしこの試合では、ヴォルフスブルクにたびたびカウンターを許す展開となった。バイエルンの守り方は何ら変わっていないが、プレスの強度だけは落ちていた。しかし、これに関してはある程度予想できていた事だった。

 というのも、試合はウインターブレイク明け1発目。コンディションにバラつきがあってもおかしくはない。バイエルンは昨季のウインターブレイク中にも親善試合ながらザルツブルグに0−3で敗れており、今季も似たような事が起こるかもしれないとは感じていた。
プレスは11人全員でおこなうため、コンディションにバラつきがあっては統率しづらくなる。しかもペップのポゼッションサッカーには圧倒的なプレスが必要不可欠なのだ。では、プレスが甘いとどうなるのか。

 ペップが指揮してきたバルサ、バイエルンには共通の特徴がある。それはディフェンスの1番手をアンカーが務めるケースが多い事だ。バイエルンはインサイドハーフのアラバとシュバインシュタイガーも攻撃的に振る舞うため、ボールを失った時にプレスをかけるのはアロンソの役割となっている。
アロンソのプレスで攻撃を遅らせ、一気に取り囲んでボールを奪いに行く。ところがヴォルフスブルク戦では、アロンソの寄せに対して周りの反応が遅かった。アロンソは単独で釣り出されたような形になり、ヴォルフスブルクにカウンターを許す展開となった。
アロンソの後方にはCBしか残っていないため、アロンソがかわされればビッグピンチになる。ヴォルフスブルク戦もシャルケ戦も被カウンター時には必ずアロンソがかわされている。それだけアロンソの役割が大きいという事だ。バルサの場合もブスケツがファーストディフェンスを仕掛ける点で同じだ。

 ただ、バルサに比べるとバイエルンの方がプレスに強度があった。守備をサボる者はいないし、ペップのサッカーを体現するにはうってつけの環境だったはずだ。そんなバイエルンで起こったプレス問題・・・。ペップはこれをどう捉えていたのだろうか。
バイエルンはバルサと違って前線にパワーのあるレヴァンドフスキやミュラーを配置しているため、ペップのサッカーにしては珍しくロングフィードを蹴るパターンもある。相手にカットされる場合もあるが、それを持ち前のプレスの強度でカバーしていたのだ。
強固な守備があるからこそ大胆な攻めに転じる事が出来る。ペップには新たなポゼッションサッカーの感覚が芽生えていたはずだ。それだけに、ヴォルフスブルク戦での4失点は精神的に堪えただろう。