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W杯続く、EURO制覇へ挑むドイツの新鋭ジョシュア・キミッヒに注目せよ!

 その上、下部年代のドイツ代表は戦術的にやや無秩序な部分もあるため、守備面でカオスに陥った状況から単独でボールを奪い、そのままビッグチャンスに繋げていくようなMFだった。

グアルディオラ「世界最高のCBになるかもしれない」

 ただ、世界屈指のメガクラブであるバイエルンにはスペイン代表でW杯やEUROを制したシャビ・アロンソや、上記したドイツ代表の元主将ラームが守備的MFとしてプレー。同じく新加入だったチリ代表のアルトゥーロ・ビダルもシーズンが進むに連れてこのポジションで起用され始めた。

 つまり、キミッヒには出場機会が与えられなかったのだ。ブンデスリーガの前半戦を折り返した地点でのキミッヒの先発出場の機会は僅か3試合に限られた。それも欧州チャンピオンリーグの試合の前後にターンオーヴァー起用されるぐらいで、ポジションはサイドバックでの起用もあった。

 そんなキミッヒに転機が訪れたのは、シーズン後半戦。CBを本職とする選手が軒並み長期離脱を伴う負傷で戦線を離脱。このチームの危機的な状況を救ったのがキミッヒのCBへのコンバートだったのだ。

 グアルディオラ監督も最初はチーム自体のシステムを4バックから3バックに変更し、キミッヒのCBへの適応を図った。ただ、そんな試用期間はキミッヒには必要がなかった。日進月歩の成長を見せたキミッヒは、CL直前のリーグ戦では、ベンチに温存されるまでに急成長を遂げたのだ。

 その成長過程の日々では、ブンデスリーガでの首位攻防戦となったドルトムント戦もあった。リーグ4連覇の可能性を固めたこの試合、マン・オブ・ザ・マッチ級のプレーを披露しながら、試合終盤の僅かな戦術的ニュアンスのミスをグアルディオラ監督にピッチ上で叱責された事もあった。

 ただ、その説教の直後に彼等はピッチ上で抱き合い、グアルディオラ監督は、会見で「世界最高のCBになれる」と語っていた。21歳となった“未来型CB”に信頼と情熱を傾けていたのだ。

 4連覇を決めたリーグ戦が終了し、怪我人も戻った状況で迎えたDFBポカール(ドイツカップ)決勝でも、ドルトムント相手にスコアレスからのPK戦勝利をもぎ取り、シーズン2冠目を飾ったバイエルン。そのピッチにも120分間フル出場(PKは外したが)したキミッヒがいた。それがグアルディオラ監督が彼をCBとして信頼していた何よりの証明だ。

 水準以上のスピードも備えるキミッヒは、ドルトムントの快速エースFWピエール・エメリク・オーバメヤンを相手にも速さで対応できる。ボール支配率が70%を超え、全体が相手陣内に押し込んでプレーするバイエルンでは、キミッヒはCBとしてプレーする方が向いているようだ。

全てを兼ね備える”未来型MF”は現代サッカーのDF向き?ドイツ代表では右SBとして欧州制覇を狙う!

 現在の世界トップレベルのサッカーでは、ボランチに攻撃を組み立てる能力とCB並みの守備力の両方を求められる。それもSBが攻撃参加した際のリスク管理とポジショニングの妙、CBとのビルドアップでのボールの持ち上がり方といった思考力の部分が強く要求される。

 キミッヒはこうした現代サッカーが求めるボランチの要素を全て備えている選手であるため、バイエルンではCBとして、ドイツ代表では「新たなラーム」として右SBとしても直ぐに適応したと考えられる。

 ブラジルW杯に続いて、今大会のEUROでの欧州制覇を狙う世界王者。ドイツに欠けていた右SBのラームの穴は、この21歳のMFジョシュア・キミッヒが埋める!

 そして、ユース代表では主将を務めた彼ならば、『キミッヒの時代』を新たに構築してくれるはずだ!楽しみに準決勝のイタリア戦を待ちたい!