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天皇杯準決勝、ガンバ大阪VS清水エスパルス ~開催日程とメンバー選考で権威問われる準決勝

 リーグ戦では前節のアウェイ埼玉での首位・浦和レッズとの首位攻防戦を「睨めっこで瞬きするまで動きません」というような超神経質な首位攻防戦を終盤に相手が前に出た隙をついて0-2と勝利し、レッズとの勝点差は2へと縮めて残り2試合に託す運びに。

 その次節のリーグ戦との間に組み込まれた天皇杯準決勝は開催地が東京の味の素スタジアムという事や、リーグ戦佳境の中での冬の平日ナイターという酷い日程によりガンバだけでなく、他クラブも含めて天皇杯の権威が問われる複雑極まりない準決勝に。

 この試合に挑むガンバは、そのレッズとの直近のリーグ戦からの変更はCBには岩下に替わって、金が入り、今季コンビを組んだ試合は4戦4勝2完封の好調CBコンビに。また、リーグ戦で次節出場停止になる米倉がいるSB陣はジェソクが休みとなり、左サイドには藤春が入るという予想通りのターンオーヴァー。また、好調のMF倉田が中盤左サイドで藤春との秋春ホットラインで先発に抜擢されてスタートしました。☆

【清水エスパルス】まさかのゴトビ解任から谷底へ落ちるも復調中

 エスパルスは現在J1リーグ残り2試合でJ2リーグへの降格圏となる16位・大宮アルディージャとは勝点差3差の15位。今季リーグ戦でのガンバとの初対決となった万博での試合で初先発のパトリックの凄まじいフィジカルと突破の前に4-0と完敗。その直後の柏戦での3-0快勝もむなしく、現ガンバの長谷川健太監督の後任に就き、毎年主力を放出されながらも若手を軸にチームを作り、激しいプレッシングとサイド攻撃を軸に3年半に渡って指揮を執ってきたアフシン・ゴトビ前監督が解任の憂き目に。後任にはユースの大榎克己氏を正式監督として招聘したものの、大榎監督の就任後の成績は15試合で4勝2分9敗と散々な成績で逆効果。監督交代時は降格圏とは無縁の位置ながら、一時は17位にまで落ちる非常事態に。
 ただし、現状は天皇杯のベスト4進出と共にリーグ戦でも6戦3勝と復調傾向にありますが・・・逆にその前の9試合は1勝1分7敗って・・・ゴトビ級の監督はシーズン終了後の解任はあっても、途中はナシでしょう。フロントが迷走しているようにしか思えません。

【マッチレポート】リーグ優勝争いと残留争いに絡むチームの対決~1軍のガンバが2軍のエスパルスに翻弄される異常事態

 試合は両チーム共に中2日後にJ1リーグ戦があり、ガンバは優勝争いに、エスパルスは残留争いに大きく絡んでいるため、天皇杯準決勝であるにも関わらず先発メンバーの変更に注目点が集中する複雑極まりない事情。結果として先週末のリーグ戦から中3日で迎えたガンバは3人、エスパルスは9人の先発メンバーの変更があってスタートしました。

 この試合はキックオフからすぐにガンバの勝利を確信しました。それは上記のような先発メンバーにベストメンバーを投入してきたからではありません。それは開始5分にも満たない時間帯のガンバのFKに対して、エスパルスDF陣がオフサイドトラップを仕掛けてきたからです。平均身長が明らかに劣っていたとはいえ、1試合に1回しか効果がない”小手先の戦術の代名詞”をこの段階で使ってどうする?と逆に心配になるぐらいでした。
 そして、その予想通りにガンバが楽に先制します。

 9分、左サイドでボールを受けた倉田がポストに入ったパトリックとワンツーをもらおうとパス&ゴーで相手DFライン裏にフリーランニング。倉田のパスを受けたパトリックは倉田を囮にしてサポートに入った宇佐美へ落とし、宇佐美のダイレクトの右足シュート。枠内を捉えるもGK正面に富んだシュートだったのですが・・・これをU21代表GK櫛引政敏が後逸してゴールに入ってしまい、ガンバが先制。1-0。
 さらに14分、ガンバの左CKから遠藤のキックがニアサイドのパトリックへ。かなりアバウトな精度のキックと精一杯競り合ったイメージもないパトリックのヘッドがGKのポジショニングも不味い状況とも合わさってゴールネットに吸い込まれて2-0に。

 しかし、小手先の戦術ではなく開き直ったエスパルスの若手メンバー達が自分達の個の持ち味を出す事で逆襲を仕掛けてくる。
 先頃のU19アジア選手権で韓国撃破の原動力となったFW金子翔太や、セレッソ時代からガンバ戦で強烈な突破を見せていたスーパーサブのMF村田和哉、オランダリーグでもプレーしたMF高木善朗、2011年のアジア最優秀ユース選手賞受賞のMF石毛秀樹など、実はエスパルスで出場機会に恵まれていない若手には実力派で個人技のある若手が多く、ガンバは受け身になって”完全に2軍”のエスパルスのリズムになってしまいました。

20分、ガンバの不用意なビルドアップを奪われ、ヤング・エスパルスの面々が一極果敢に圧力をかけてゴール前まで運び、最後はエスパルスでの公式戦初出場のFW加賀美翔にエリア内でボールを奪われ、そのまま藤春と丹羽をあっさりと交わして振り向きざまに放った左足シュートが決まって2-1に。
24分には中盤で今野が不用意なパスを奪われてエスパルスのショートカウンターが発動。今野にファウルで止められてもアドバンテージでチーム全体で前進し、中央突破。最後は右から村田が切り込んでゴール前至近距離まで入って来た高木善朗へ絶妙のスルーパスが通り、難なくシュートが決まって2-2の同点に。

その後もセレッソ時代からガンバ戦に脅威を与えて来た村田が攻撃を牽引するドリブル突破を前にガンバはチーム全体が後手を踏んで防戦一方になり、31分にはイ・キジェの左足直接FKが僅かに外れたり、中盤でのボール奪取から村田や金子のドリブルでエリア内まで持ち込まれる場面が頻発。ただし、そのフィニッシュの粗さにガンバは助けられていました。

 すると37分に一瞬の隙。左サイドから倉田がパトリックへこれまたミスキックであろうアバウトな精度で上がったクロスでしたが、パトリックをマークする相手DF三浦のマークを振り切ったのは、なんとまたまた相手GK櫛引。そのままパトリックが競り勝っても直接ゴールはないだろう位置なのに、後方から急に飛び出して触れないどころか、三浦を競らせないような対応になって、パトリックが当てただけのヘディングがゴールに吸い込まれ3-2に。

 前半はそんな複雑な3本のシュートが決まったガンバが3-2とリードで折り返しました。

主力が出て来てリズムを失うエスパルス、控え組の登場で主導権を握るガンバ~Jリーグと日本サッカーの課題だけでなく、長所も明るみに。

 両チーム選手交代なしで迎えた後半も、スコア上はガンバがリードするもエスパルスが主導権を握る展開。ただし、絶好調の村田のポジションがなぜか左サイドになった事で、突破口となっていた藤春のエリアから攻略される事はなくなり、同時に決定機と言えるピンチも少なくなって行きました。
 それでも金子のドリブル突破や石毛の前へのダイナミックな動きがあってペースを握るヤング・エスパルスの選手達。しかし、試合勘の無さが影響したのが65分を過ぎた辺りから。ショートカウンターや一極果敢に持ち上がる攻撃が得意な事以上に、若さ以上にワンパターンにもなってしまった疲労がどっと出てしまう。

 72分、ガンバの最終ラインから丹羽が浮き球のロングボール。前線中央に流れながら受けたパトリックが後方へ巧みに落とし、宇佐美がパトリックの動きに惑わされて不用意に前へ出ていたGKの頭上を抜くループシュートを華麗に決めて4-2に。
 4点目が入ると、ガンバはこの日”アベック2ゴール”の最強2トップを替えて、FW佐藤、MF大森を投入。すると4点目を失ったエスパルスの戦意喪失か、意識が前後分断になってそれまで主導権を握っていたエスパルスのリズムがガンバに。
 85分には途中出場の佐藤が前線で相手の不用意な横パスを奪ってボールを運び、ゴール前フリーのリンスへ。コレをリンスが難なく決めて5-2に。その後も大森が貪欲にフィニッシュまで持ち込む場面を見せたガンバがそのまま5-2でスコア的大勝で2年ぶりの決勝進出。ガンバからのレンタル移籍中FW川西翔太が決勝点をアシストしたモンテディオ山形と対戦します。