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J1第26節 ガンバ大阪vsサガン鳥栖

 両者メンバー交代なしで迎えた後半は開始から鳥栖が前からのプレスを強めて高い位置でボールを拾っては得意の分厚いサイド攻撃とそこからのCKを連続して奪ってのセットプレーで押し込んできました。特にクロス、セットプレー共にファーサイドを狙うボールが多く、ゴール前を横切るボールが多くなって危険な場面が多発。
 しかし、最後のシュートに至る場面での丹羽、岩下の”守備神様”のような渾身のシュートブロックが続いて苦しい時間帯を耐える。
 また、鳥栖攻勢の時間帯に流動的な動きで掻きまわしていた鳥栖FW池田が交代で退いてくれたのがガンバにとってはラッキーでした。耐えたとはいえ、シュートは打たせずに脅威となっていた池田が下がった直後の67分。左サイドで開いてボールを受けた宇佐美がアーリークロス。速い弾道となったこのボールがちょうと相手CBコンビの頭上を越え、GKの前に落ちるロングキラーパスという超絶クロスとなり、抜け出したパトリックが脚では初めての得点となる右足スライディングシュートで押し込み2-1とガンバが逆転。
 79分にはカウンターからハーフウェイラインで前を向いた宇佐美が、得意の右前方のスペースへ走り抜けていたパトリックへ再びのキラーパス。GKが飛び出した頭上を抜いたパトリックの右足でのシュートで3-1と追加点。
 さらに投入されると得点に絡むリンスがピッチに現れると、84分にパトリックが起点となって右からのリンスにクロスがバウンドしてGKのファンブルを誘い、こぼれ球をパトリックが右足で押し込んで4-1に。

 18分間で右足だけでハットトリックのパトリックの大爆発だけでなく、チーム全体の積み上げを感じるという意味で、お馴染みの”結果的快勝”でなく内容も伴った快勝でガンバがリーグ戦5連勝。鳥栖を抜いて4位へ浮上し、残り8試合でまずはACL出場圏内の3位を狙います。

脚で無得点のパトリックが脚だけでハットトリック 〜確実な進化を見せる”パットリくん”を冷静に評価せよ!

 宇佐美の超絶キラーパスは元日本代表MF中田英寿ばりの”サブイボ”でしたが、今日は何と言ってもハットトリックのパトリック。
 実はゴールも初先発からの3試合連続で計4ゴール以降は1つもなく、リーグ8試合ぶり(公式戦12試合)ぶり。その間に佐藤が調子を上げ、天皇杯やリーグ戦で先発を譲り、パトリックは先発しても早い時間帯で交代になる事も多くなっていました。デビュー当初は右サイド前方のスペースに抜ける”パットリ作戦”にチームも頼り過ぎた事もあって対戦相手に研究されて封じられました。その事でマスコミやサポーター間では”不調”とされておりました。
 
 しかし、彼は加入当初は全くこなせていなかった足下でのポストプレーで確実に進化を見せていました。シュートこそ脚で1つも決めれていませんでしたが、彼が足下でボールを収める事が可能になったガンバは”パットリ作戦”のような大味な攻撃ではなく安定したパスワークを高い位置で披露できるようになりつつも、選手間の距離も乱さないようになり、守備陣はさらに安定感を増しました。阿部はさらに万能性を増し、宇佐美は前を向きやすくなりました。

 このような変化を感じていたので、世間では不調論が続くパトリックを当ブログでは「彼は確実に進化している」と毎回のように綴ってきましたが、その積み重ねがこうして身を結んで事が僕も嬉しいです。
 得点がなくなったら不調、対策を練られたらダメなどなど、逆にすぐに”最強助っ人論”などは失礼ではないですか?

 そんな出場時間も短くなる日々に”パトリック不調論”が根強くなる一方で、実は長谷川健太監督は連戦を考慮した事と佐藤が調子を上げている事でパトリックの出場時間を抑えて戦力の拡充も施していた事が今日明らかになったと言えるでしょう。
 もっとパトリックを冷静に評価する事が必要な事を、多くのマスコミやサポーターはこの日の”パットトリック”から考え直しましょう☆

では、最後に個人採点をお楽しみ下さい☆

<選手個人採点>

先発出場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

GK東口順昭 6.0 後半はゴール前を通過するクロスに不安を感じさせたが、PK以外は失点なし。
DF米倉恒貴 5.5 あれは確実は手で掴んでいる時点でPK。それ以上にキム・ミヌには安田の攻撃参加なくてもやられ続けた。
DF丹羽大輝 7.0 いったい何度シュートブロックをするのか?”守備神様”となった。高さで勝てないと判断すると落ち所やフィニッシュを呼んでことごとく跳ね返した。
DF岩下敬輔 6.5 西村さんの判定だと退場も恐れたが助かった。その激しさはフィジカルで勝負してきた後半序盤の鳥栖にも利いた。
DFオ・ジェソク 6.0 前節の負傷から復帰してくれた事がまず収穫。その上で守備以上に攻撃参加で分厚さを作るのに貢献。毎試合違うサイドで出てこの安定感は脅威と言える。
MF遠藤保仁 5.5 実は不調だったか?パスミスも多く運動量も少なかった。疲労性の負傷具合が心配。
MF今野泰幸 6.5 阿部すら脚を止める中、最後まで走り続けてブルドーザーのようなボール奪取を見せる。皮肉を言えば、なぜクロスは弾道が速くて正確なのに、ロングフィードは山なりなのか?これがセンスなのかもしれない。
MF阿部浩之(81分まで出場)6.5 パトリックのポストプレーに反応し、安田の攻撃参加を封じ、連動したパスワークにも絡む。もし代表に呼ばれたら”サプライズ招集”と言われるだろうが、もう代表に呼ばれない事の方がサプライズだ。
MF大森晃太郎(90分まで出場)6.5 2カ月以上欠場しながらのほぼフル出場。ボール際の粘り強さは彼が1番あるのかもしれないと改めて感じさせる。
FW宇佐美貴史 7.0 得点こそないが、さすがにあのクロスはゴール以上に凄かった。ヒーローインタビューはパトリックに譲ったが、ピッチ内の主役はやはり”至宝”だったと言えるプレー内容。
FWパトリック(88分まで出場) 8.5 確実に試合をこなす毎に積み上げを見せていたプレーが報われた。そして、それはチームとしての積み上げも象徴するような結実ぶりだった。