Foot ball Drunker 〔92〕visiting 『Estádio 1º de Maio』ブラガ / ポルトガル

さてこの試合も2トップと両サイドハーフに注目。下の写真は16分の先制点。センターフォワードが左に開いた状態で、サイドバックからのボールが中央に。エリア外に四人の敵ディフェンダーが並ぶ。右から走り込んだのは77番フランシスコ·トゥリンカオ:Francisco Trincão【1999年12月29日生】。エリア外から左脚でのシュートは、キーバーの手を弾いてネットを揺らした。

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この年の三月に開催されたUEFA U-19欧州予選でも三試合出場2アシストを記録している。本大会でも八試合5ゴールでこの年代の欧州最強の称号へとチームを導いた。

2020年夏にブラガからバルセロナに完全移籍で欧州だけでなく日本でもその名を活字で目にするように。A代表デビューも同年秋、
UEFAネーションズリーグのクロアチア戦。
現在はスポルティングCPで、年明け三試合連続ゴールと絶好調。チームも年を跨いで5連勝中。来月にはUEFAヨーロッパリーグのヤングボーイズ戦を控えており、日本代表から守田英正:Hidemasa Morita【1995年5月10日生】の復帰が待たれる。


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対するビットーリアで印象に残ったのは、独特の髪型も含め
右サイドバックのファライ·サッコ:Falaye Sacko【1995年5月1日生】。駆け上がるスピード、上下動の豊富な運動量と標準を上回る高い身体能力。前年マリA代表デビューしており、前月(’18年5月)リエージュでハリル·ジャパンとも対戦。アフリカネイションズ杯で留守にしてはいるが、今季からモンペリエでプレー。


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クリスプ·ブレッドの売りは、さくさくの触感とトマト&オレガノのいかにもスペインらしい風味にあるのだが、正直物足りない。塩気が足りないのも気になるが、チーズをトッピングするとか、ポタージュやスープ系につけたほうが美味いとか、食べるヒトが好みにあわせて手を加えたくなる代物。そこは第話のチーズを食べる為のクラッカーにも似ている。


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指揮官が試合前に強調したところでフットボールは対戦相手との力関係で局面が変化する。ポゼッション、カウンター、その状況でプレーを選択するのはあくまでフィールドの選手達。監督はあくまでチームの基礎を拵え、完成させるのはプレーヤーでしかない。
現在の日本代表の成長と躍進。監督から与えられたものをそのまま食していた過去から比べると、現在は自分達で手を加えることができるようになり、しかも個々で選独自の味もしっかり作り出しているのだから、なる程強いはずである。[第91話了]


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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:hinako