第178話は前回に続きラ·スペツィアの本拠地アルベルト·ピッコ。クラブチームが刻んだ百十年の歴史を示すエンブレムとファサード。この原稿はアルバニアから国境を越えたコソボで書いている。真夏のようなティラナから天気は良くても長袖を三枚重ね着している今日のプリシュティナ。スペツィアも汗ばむ陽気の春先からおよそ半年ぶりに訪問した十月の街並には、既にダウンジャケットを羽織るご婦人の姿が下のフレ一厶の中に。欧州を旅をしていると服の選択が難しい。ちなみに本日宿で洗濯をしたら下着が二枚無くなっているのは何故なのだろう。そんなわけで、カバー写真のモデルさんも今回から長袖秋モ一ドに。
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取材したチッタデラ戦のスタメン、注目は右サイドの背番号18番デヴィド·オケレケ:David Okereke【1997年8月29日生】。ラヴァニェーゼ(セリエD)を経て四月にプロデビューをしたばかり。この日のオケレケは立ち上がりこそ悪くはなかったのだが徐々に消えてしまい後半九分でベンチに。翌日ガゼッタ紙の採点は5。オケレケとサディク、このクラブにナイジェリアからの若者が目立つのには理由がある。スペツィアも2008年経営破綻によりセリエDからの再始動を余儀なくされた苦い過去を持つ。当時はシステム管理コストを削減するため公式収容人数を7,500席まで削減している。救世主となったのがナイジェリア在住のイタリア人資産家ガブリエレ·ボルピ:Gabriele Volpi【1943年6月29日生】氏。低迷していたチームを十二年かけて立て直した実業家は、’76年に移住すると石油·ガス、物流、不動産、海運、接客業、スポーツ等、現地の有力政治家や企業家との強固なネットワークを築き、数々の事業で成功を収めて莫大な富を築いた。
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’13年からはクロアチアのサッカークラブHNKリエカにも出資、コスタ·スメラルダ(セリエD)のオーナーも務め、2017年にディナモ·ザグレブを破ってクロアチアリーグ初優勝へ導いている。そして’20年スペツィアがクラブ史上初のセリエA昇格を果たすと自身の役割を終えたと翌’21年に売却している。その為ナイジェリアとのパイプは閉ざされてしまったが、ボルピ氏の目は貧困層出身の才能ある少年達に向いている。首都アブジャ(’91年からラゴスから変更)にサッカースクールを設立して教育と共にプロへのチャンスも提供する為の慈善活動を支援している。