183〗Luzhniki Stadium / モスクワ

アメリカは犬の国 セントバーナードの映画とユーゴ崩壊

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ロシア上空を避ける欧州線なので復路だけでも七〜八本の映画作品を鑑賞できる。重い大作が続くと流石にしんどい。箸休めといっては失礼かもしれないが肩の力を脱いて見れる軽いコメディーの中で「コレは見逃したかも」と1992年に公開されたアメリカ作品をピックアップしてみた。『ベートーベン: Beethoven』は、セント·バーナード犬が主役。翌年には続編の『ベートーベン2』が劇場公開されているからそれなりにヒットしたのだろう。
’92年はUEFA欧州選手権がスウェーデンで開催され代替え出場のデンマーク代表が優勝する大波乱。スロベニア、クロアチア、ボスニア·ヘルツェゴビナなどが独立し、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の枠組みが崩壊。ユーゴ代表は予選を一位通過し優勝候補と目されながら、内戦に対する国連制裁決議により大会直前に出場権を剥奪されるのだがこれは悲劇の序章に過ぎなかった。

日本でアメリカン·ドッグが一般的に普及し始めたのが7O年代から。筆者世代には学校給食のメニューとしてもお馴染み。
ちなみにアメリカン·ドッグは和製英語で本場ではコーンドッグが正式な名称。いずれにしてもこのジャンクフードのおかげで子どもの頃からは「米国はドッグ(犬)の国」の固定観念が固まってしまった。脱線するが固定観念と既成概念の二つの言葉はあっても固定概念なる日本語は誤りであって存在しない。
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猫の国ロシアで飲んだ熊の麦酒

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以前にもこのコラムで書いているが初めて異国の地を踏んだのはソ連のモスクワ。ロシアのモスクワではない。その次に行ったのはレニングラード。当時はサンクトペテルブルグではなくそこで知ったのがロシア人の猫好き。現地のガイドさんの話では十八世紀初頭の創建時、ネズミ対策としてオランダから猫を連れてきたのが始まり。エルミタージュ美術館でも美術品保護の目的でカザンから猫の精鋭部隊が送り込まれた。宮廷の猫は現在も存在する。ロシアの猫は日本と違って毛が長くてフサフサ。毛皮を纏いアイラインくっきりのロシア人美女はかなり猫っぽい。したがって東西冷戦は犬の国と猫の国の対立だったと解釈している。犬でも猫でもなく今日本で最もメディアを取り上げられるのは冬眠に向けて活発に活動する熊。エルミタージュのチケットと並んでいるのはバルチカ:Baltika傘下、ヤルピヴォ醸造所のヤンタルノエ。サンクトペテルブルグで喉を潤したがマイルドな麦芽の甘みとコクも適度に感じられる琥珀色のペールラガーだった。
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一方首都モスクワで猫の話題となれば、寅さんの売り口上ではないが、「結構毛だらけ猫灰だらけ世界にここだけ」の猫サーカスだろう。その名もククラチョフ猫劇場。猫にパフォーマンスをさせる動画はSNSでも流れてくるがレベルが違う。創設されたのは1990年だから『ベートーベン』の公開より二年早い。場所はモスクワ市内西部のクトゥーゾフ通り沿い。地下鉄の駅だとキエフスキー駅が最寄りで二十分は歩く場所。モスクワの四強、スパルタク/CSKA/ディナモ/ロコモティフの本拠地は何れも市の北部にある。トルペド(第六話)の本拠地、エドゥアルド·ストレリツォフのみが南東部。