Foot ball Drunker 〔40〕visiting 『Cegeka Arena』ヘンク / ベルギー

それから三年の歳月を経て2015-16シーズンが開幕。スフライフェルスは左ウイングでスタメン。ヘイネンも後半21分から中盤後方に入った。契約満了のペータースは、オランダ2部のMVVマーストリヒトに移籍。1年早く同クラブに貸し出されたクルークス
も完全移籍を果たしており再び同じウェアを着た二人。オランダ・リンブルフ州の州都クラブでクルークスは右ウイング、主将を任されたペータースの背番号は10。3トップ下で攻撃のタクトを振るう。
一方神奈川大学を卒業した伊東純也:Junya Itō【1993年3月9日生】がヴァンフォーレ甲府に加入。

2017年の同門対決はヘンク快勝

翌2016-17シーズン、ペータースはシント=トロイデンVVでベルギー復帰。
シーズン前半ワースラント=ベフェレンに貸し出されたスフライフェルスは一試合だけイエロー累積警告による欠場を除けば、ほぼスタメンフル出場。中でもトップ下を任された6節クラブ・ブルッヘ戦、10節オイペン戦、13節アンデルレヒト戦の3試合では2ゴール3アシストで勝利に導き適性を見出だす。年明けからヘンクに戻ると、迎えた2017年5月27日UEFAヨーロッパリーグ出場権を賭けたプレーオフ。ヘンクでは、初となるトップ下起用ながら2点目をアシスト、指揮官の期待に応える。この試合ダブルボランチの右に配置されたペータースは、3点リードされたところでベンチに下がった。

2016年柏レイソルに移籍した伊東純也は、翌17年リーグ戦全試合に出場、日本代表にも選出され筆者もその名前を知ることに。

 
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写真は、2019年期限付きでヘンクに移籍した直後、当時26歳の伊東。UEFAヨーロッパリーグはSKスラヴィア・プラハ戦、国内リーグデビューとなった前節に続き短い時間とはいえ、結果を出せぬ自分に苛立つ険しい表情を覚えている。
先制ゴールを決めたヘイネンは、このシーズン途中からレギュラーに定着した。

現在の立ち位置 伊東純也が証明したローマへの道筋

四年半の歳月が流れた現在、スフライフェルスはOHルーヴェンのディープ・ライング・プレーメーカー、主将章も板につく。

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ベルギーのリンブルフ州マースメヘレン市は、マーストリヒトから国境を挟んで20キロ弱。31歳のペータースは、KASオイペンからこの街のクラブ(2部)に今季移籍した。
 
伊東純也に関して今更説明する必要はない。2年目の2020-21シーズンは12ゴール16アシストを記録。8シーズンぶりとなる国内制覇に貢献。UEFAチャンピオンズリーグも経験した。レンタルから完全移籍。ベルギーアシスト王の看板を掲げフランスへ。


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ベルギーで急成長し欧州5大リーグの一角での活躍は、勿論本人の才能と努力の賜物であることは間違いない。またヘンクというクラブの状況が伊東とマッチングしたのも否めない。

しかし、ベルギー屈指の名門アカデミーを巣立ったプレーヤーを遅れてきたヤパンがごぼう抜き。長友佑都に続き、大卒→J経由でも遅くはないことを体現した伊東純也の足跡は、「サッカー選手として大成する為には、若くして欧州に行かなければいけない」といった特定の偏った固定概念を覆した。

明日のチェニジア戦では、伊東と対極のキャリアを積み重ねた久保建英:Takefusa Kubo【2001年6月4日生】の出番。