本場のジェノヴェーゼと名前だけイタリア風のドリア
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種類豊富なパスタの中でも一番の好物は、カバー写真のジェノヴェーゼ。新鮮なバジルの爽やかさと松の実の食感、チーズとオリーブ油でコクを出す。その名が示すとおり、良港として繁栄してきたジェノヴァが発祥の地。写真はピアッツァ·プリンチペ駅:Genova Piazza Principe。
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フィレンツェを出発し、この駅に到着するまでの間は、ビール瓶を片手に車窓からリヴィエラの海岸風景を眺める至福の時間。
欧州を旅している時、キッチン付の宿が手配できれば調理するのは簡単なパスタ。あらゆる具材、東西問わずどんなソースでもあわせられるのだから万能ぶりは圧巻。
高校生の時、バイトしていたイタリアレストランで初めて平らげたのがドリア。この日本で考案されたグラタンも本家に敬意を表して、16世紀に活躍したイタリア海軍提督《アンドレア·ドリア:Andrea Doria》から名前だけは拝借している。
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第35話は、ジェノヴァにあるStadio Comunale Luigi Ferraris:スタディオ·ルイジ·フェッラーリス。
サンピエルダレネーゼ:Sampierdareneseと英雄の名前を冠するアンドレア·ドリアが合併して新たなクラブチーム、サンプドリア:Sampdoriaが誕生したのは1946年。それにしてもクラブチーム名が氏名そのまんまとは、古の救世主はいかに支持されていた事か。
最後にサンプドリアの試合を見たのは2016年開幕戦。新監督のマルコ·ジャンパウロ:Marco Giampaolo【1967年8月2日生】率いるチームが乗り込んだ敵地は、ジェノヴァから215キロほど東、トスカーナ州のエンポリ。
前年マウリツィオ·サッリ:Maurizio Sarri【1959年1月10日】自ら後任に推薦されエンポリを指揮したジャンパウロ。いきなり古巣との対戦。目まぐるしく監督が入れ替わるカルチョの世界では、珍しくもないか。
欧州各国から集まり 港町で磨かれる才能
この日パトリック·シック:Patrik Schick【1996年1月24日生】の国外デビュー戦は、途中出場29分デビュー。印象はデカイのに柔らかい。