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なでしこジャパンの予選敗退に寄せて感じるアナログ感

 2月29日から日本の大阪で開催されていた女子サッカーのブラジル・リオディジャネイロ五輪アジア最終予選。我らが“なでしこジャパン”は初戦のオーストラリア戦で敗れ、第2戦でも韓国相手に終盤に先制しながらも直後に同点とされてドロー。第3戦・中国戦ではさらに良い部分が少なく、しかも軽率なミスから失点して敗れた。3試合で勝点1。残り2試合で連勝しても絶望的な状況となり、第4戦のベトナム戦を迎える直前に行われた中国VS韓国の試合で中国が勝利したため、なでしこジャパンは試合前に予選敗退が決定した。

 ベトナム戦では主将MF宮間あや、新10番FW大儀見優季、攻守の要のMF阪口夢穂、最年長のベテランGK福元美穂等も先発メンバーから外れた。公式戦で先発出場の機会がなかなかない選手達は、オーストラリアに9失点した格下・ベトナムから得点を奪うのに苦労した。キックオフから相手を完全に押し込み、せっかく39分間かかって次世代のエースFW岩渕真奈が先制点を奪っても、即座にPKで同点とされた。それでも即座に大野忍の豪快な左足ミドルで勝ち越し、後半はラスト約10分間で4得点を奪って6-1と大勝した。

 ただ、2試合も残してリオ五輪への出場権獲得はならずの結果だけが虚しく残ってしまい、予選敗退したなでしこジャパンは「古い」と言われている。色々とありえないほどの批判を浴びせられているが、確かにアナログなのかもしれないとは贔屓目に見ても思う。

「デジタル」と「アナログ」の楽しみ方

 最近の音楽の世界では、歌い手の吐息やギターの弦をさする音などまでに至る繊細な部分まで聴くことができるハイレゾ音源が人気だ。(ハイレゾリューション/高解像度の略)

 昔ながらのレコードは、「アナログ」と呼ばれているが、「デジタル」なCDすらもう買わない時代になった。音楽のネット配信サービスが充実しているからだが、誰もが「音質に関してはアナログ・レコードが1番」という定説すらも危うくさせる、ハイレゾ音源の誕生は脅威だ。

 完全に予選敗退が決まって迎えた最終戦・北朝鮮。色々な思い出を写真に収めるため、デジカメを持って現地で声援を送ったサポーターの皆さんは、涙混じりのセンチメンタルな気分になってアナログな写真になりそうだ。そんなピンボケ写真も思い出の1つとなるはず。

アナログなデジタル写真も思い出に

 佐々木監督が率い、宮間等が躍動するチームは今日で見納めかもしれない。世代交代どころかチームが一新するだろう。ただ、戦い方としてのスタイルは「日本人が世界に対抗するための方法」として蓄積されているので、そう変化はないと思う。ただし、それはアナログのままでいたり、デジタルに移行していくものでもない。技術や戦術のアップデートと共に原点回帰を並行に行う。ハイレゾのような感覚?とでも表現すれば良いのか。

 このなでしこジャパンの敗退により、日本の女子サッカー界は暗黒時代になるかもしれない。スポンサー企業の撤退を始めとした運営の面でだ。2014年にはU17W杯で世界女王となった世代もいるだけに競技レベルでは楽しみな部分もあるくらいだが、こればかりは致し方ない。

 僕等にできる事と言えば、「♪~あんなこと~、こんなこと~、あったでしょう~♪」と忘れていたはずの記憶を思い出し、多くのヒト達とそれを共有し合い、忘れないでいる事だと思う。それが新たなファンに伝わり、スポンサー獲得にも繋がるかもしれない。

 今後、その思い出のアルバムに追加してあるだろう今日のデジタルなピンボケ写真について語る時、それはきっとハイレゾばりの解像度の高いエピソードとして記憶されているはずだ。

By | 2017-04-21T21:51:37+00:00 3月 13th, 2016|Categories: コラム, なでしこジャパンコラム|Tags: |0 Comments

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hirobrown
創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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