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アジアカップ2015総括!~アジアの立ち位置~

 アジアカップ2015は、開催国オーストラリアの優勝で幕を閉じた。妥当な結果で盛り上がる大会ではあったが、アジア全体のサッカーに危機感を覚えた大会でもあった。
「アジアはこのままでいいのか・・・」世界の流行にしがみつこうとするアジア勢と、決勝戦まで登り詰めた韓国、オーストラリア、そして日本。今回のアジアカップで見えたアジアの世界での位置付けについて掘り下げておこう。

☆アジアレベルの攻撃力

 今大会で気になったのは、各国のシステムだ。優勝したオーストラリアを筆頭に中盤を3センターにした4-1-4-1を採用するチームが多く、日本も全く同じものを採用していた。次いで韓国が採用した4-2-3-1、あるいは4-4-2を採用するチームも多かった。
4-1-4-1や4-2-3-1は世界的にも流行しており、もはや現代サッカーの教科書的存在になっている。4-1-4-1は中盤を3センターにするため守備が安定し、同じく4-2-3-1もゾーンを組み立てやすい。バイエルンやチェルシーといった世界トップクラブが採用しているシステムだけあって、アジア勢も戦い方を覚えたようだ。
その堅固な守備組織を活かし、決勝まで無失点を貫いた韓国、2失点しかしなかったオーストラリアと守備の安定性が目に付く大会だった。

 その一方で、攻撃に関する話題は相変わらず乏しい。UAEのオマルや韓国のソン・フンミンなど世界で通用する個のタレントは生まれているが、組織として世界を脅かす攻撃力を備えたチームはまだまだ少ない。ベスト8で敗退したものの、攻撃の連動性では間違いなく日本がNo1だった。
韓国は明らかに攻め手を欠いていたし、オーストラリアもポゼッションサッカーへの移行段階とあって、勢い任せな部分が多かった。確かに韓国とオーストラリアの守備組織は安定していたが、逆にそれを崩し切るチームが少なかったと捉える事も出来る。
決勝まで無失点だった韓国も、何か特別な守備策を敷いていた訳ではない。標準的な4-2-3-1の活用をしており、それを崩せなかったのは問題だろう。

 前回の記事でも指摘したように、日本の4-1-4-1にも大きな欠点があった。しかしその欠点を炙り出せるチームがアジアには存在しなかった。アギーレ体制での4-1-4-1はアジアカップに入る時点で6試合しかこなしておらず、完成度もそれほど高くはなかった。
就任当初は若手を積極登用していた事もあり、遠藤や長谷部が4-1-4-1にトライする時間はそれほど多くはなかったはずだ。それにも関わらずグループステージで対戦したヨルダン、パレスチナ、イラクは日本からゴールを奪う事が出来なかった。
準々決勝で日本を倒したUAEも、決定的チャンスと呼べるのは先制ゴールの時のみだった。言い方は悪いかもしれないが、アジアレベルの攻撃力であれば付け焼刃の4-1-4-1でも充分に守り切れる。世界はそう感じたはずだ。

☆日本はアジアNo1で間違いない

 ベスト8で敗れた後に言うセリフでは無いかもしれないが、日本の方向性は間違っていない。アジアの付け焼刃的な4-1-4-1や4-2-3-1は日本の攻撃を抑えきる事が出来なかったし、チャンスの質も量も圧倒的にNo1だった。逆に日本には守備のアイデンティティが備わっていないとも言えるが・・・。
何度も言うように、アジアで頂点に立つ事が目標なのではない。4年後の2018W杯に向けてチームを作っていくべきなのだ。日本よりも上の順位でフィニッシュした韓国やイラクも、自分たちの課題を見つめ直すべきだろう。
韓国にはソン・フンミンを筆頭に、ク・ジャチョル、キ・ソンヨン、イ・グノといった優秀なアタッカーが揃っているにも関わらず、チームとしての連動性は限りなく低い。攻撃で1タッチパスが繋がる場面も少なく、1試合で作るチャンスの量もまだまだ少ない。
このままでは昨年のワールドカップと同じように、点の取れない集団となってしまうだろう。