Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 293

Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 294
no-image

女子東アジア杯第2戦、日本VS韓国~2連敗でも結果より大きな収穫あり

 メンバー構成上の強みである中盤の構成力を上げていく狙いが出ており、MF陣がしっかりとポゼッションでタメを作れる事を前提として、両SBの京川と薊が積極的に攻撃参加。特に京川は自らがドリブルで切り込んでシュートを放つ場面も多く、右サイドMFが北朝鮮戦の増矢理花のようなドリブラーではなく、この日はパスセンスを持つMF柴田と言う事もあり、柴田が中央に寄って空いた右オープンのスペースを積極的に突いていく動きが多く見られました。SBで2試合目ながら、すでに周囲のポジションに入る選手によってプレーを変化させているSBとしての京川はどんどん柄になって来ています。

 しかし、最終ラインからビルドアップする際にボランチの2人へ出すパスが読まれており、韓国も高い位置からプレスを仕掛けて来ていただけに、ボランチへのパスをインターセプトされてショートカウンターでフィニッシュにまで持ち込まれる場面が目立って出ていました。理由としては読まれている事以上にパススピードが遅かったり、ボランチへのパスだけで2列目やFWへのラインを飛ばすような縦パスがない事が、韓国のプレスの狙いを定めさせてしまった要因だと言えます。

 それでも何とか均衡を保っていた日本。初戦はDFラインが低かったものの、この日は中盤でタメが作れるためにDFラインは高く保てていたため、攻撃に厚みが出ていました。特に中盤が好パスを配給してくれるため、動き出しに特徴があるFW有町が抜け出す場面が多く、ポストプレーも含めて彼女が絡む攻撃からチャンスを量産。ただ、流れの中からのシュートは有町や田中美南が決めきれなかったのですが、セットプレーから日本が先制点を奪います。

 30分、左CKを中島が蹴り、再び戻ったボールを中島がクロス。そのこぼれ球がエリア外の中島へ三度渡り、今度はダイレクトでミドルシュート。相手DFに当たってコースが変化すると、これがゴールに吸い込まれて日本が先制。前半は日本の1点リードで折り返しました。

勝負所で決めきれずに連敗も、選手個々の持ち味やINACのレベルの高さを証明

 後半に入り、リードされた韓国はINAC神戸レオネッサ所属のFWチャン・スルギを投入。前半同様に日本の最終ラインからのビルドアップがぎこちないポイントに、そのチャン・スルギが侵入して韓国の攻撃を加速。前半以上にショートカウンターの脅威が増して来ていました。

 そして55分。相手のロングボールを回収した薊からボランチへのパスを狙われる。ジョ・スヒャンにボールを奪われてショートカウンター発動。そのままドリブルでぺナルティエリア付近まで持ち込まれると、後退するだけの日本のDF陣を尻目に右足を一閃したジョ・スヒャンの鋭いシュートが決まって1-1の同点に。

 この試合の最初から狙われていたポイントから同点に追いつかれた日本。これに佐々木則夫監督は63分にMF上辻祐実に替えて、主将・MF川村優理を投入。システムも川村が中盤の底にアンカーとして入る<4-1-3-2>へと微修正。MF猶本光と縦関係のボランチ、あるいは猶本にトップ下に近い役割をさせる事で、ボランチが横並びになって狙われやすい状況を修正。

 そして、そのW杯メンバーでもある川村がピッチに登場すると、彼女からのパススピードの速い縦パスがどんどん猶本や柴田に入って攻撃が加速。京川は2試合連続先発起用ながら、どんどん柴田のパスセンスに合わせて攻撃参加し、右サイドからカットインしてのシュートや、エリア内まで侵入するドリブル突破でチャンスメイク。しかし、京川のマイナス方向への折り返しを柴田が空振りするなど決定機を決めきれず。その後もFWの菅澤や横山久美を投入して勝ちに出る攻勢を見せるもゴールは奪えず。

 逆に92分、微妙な判定で奪われた左からのFK。なぜか主審が壁の作り方について厳しい指摘をしていると、韓国の10番、ツァン・カユルに直接決められて1-2と土壇場で逆転を許してしまう惨事に。残り時間も少なく、そのまま敗れて2連敗となったなでしこジャパンは優勝の可能性が消えてしまいました。

 そうは言っても、初戦の杉田や増矢の活躍のように、この日は代表デビューを果たしたMF柴田やGK山下が好プレーを披露し、川村が主将としての自覚を身体全体で表現するなど、個々で光った選手も多かった試合。韓国のFWチャン・スルギは今季所属するINAC神戸レオネッサでは1試合もリーグ戦でプレーしていない選手でありながら日本の脅威になっていた事や、日本の増矢や中島もINACではベンチスタートの選手。なでしこジャパンの若手の台頭はもちろん、INAC神戸のレベルの高さはインターナショナルレベルなのだと証明したような試合でもありました。

 では、最後に選手個別の採点と寸評を掲載します。お楽しみ下さい。

【選手個人採点&寸評:MOMは京川】

出場選手
選手 採点 一言
GK山下杏也加 5.5 危ない場面でも19歳とは思えない冷静な判断で対応。最終ラインにミスが多い中で奮闘していただけに決勝点が悔やまれる。デビュー戦としての印象は良かったはず。
DF京川舞 6.5 鋭いドリブル突破やクロスだけに止まらず、自らカットインしてのシュートなどSBではもったいない攻撃性能。すでにラインDFでも順応して来ており、この無理のあると思われたコンバートは成功しそう。
DF田中明日菜 5.5 先発で唯一のW杯メンバー、特に後方は若手が揃う布陣の中で落ち着きや風格は感じさせた。しかし、ビルドアップでもう1つ前のラインに繋ぐなどプレーの選択肢を増やして欲しい。
DF村松智子 5.0 ビルドアップで何度もボールを奪われ、相手の縦パスにFWと入れ替わられたりと散々な出来。しかし、CBらしい良いプレーも。代表デビュー戦ならではの経験が収穫。
DF薊理絵(72分まで出場) 5.0 右ならまだしも、左SBでは・・・。左足で蹴れないのでクロス精度は期待できない。それならアタッキングサードではシュートを狙っても良かった。それでも長いドリブル突破では魅せた本職ウイング。
MF柴田華絵 5.5 相手に奪われる事も多かったが、好プレーも多く、中でも独特のアクセントをつけたパスは魅力。後半は京川と共にホットラインを形成して好機量産。それだけにカウンター攻撃の際でも起点になって欲しい。
→FW菅澤優衣香(72分から出場) 5.5 クリアボールを収めて起点になったが、その分、エリア内でのプレーが少なくなってしまった。
MF猶本光 5.5 無難にプレーし過ぎている。ミスはあまりないかもしれないが、これでは期待できない。川村が入ってからバイタルで受ける場面が増えたが、あの間で受けてターンする的確なプレーをもっと出してもらいたい。
MF上辻祐実(63分まで出場) 4.5 ポジショニングを気にし過ぎているのか?好守両面で猶本と横で並ぶ位置取りが多く、1人で出来る仕事を2人でしてしまっていた。自分がボールを奪われたら自分で取り返す意識も欲しい。
→MF川村優理(63分から出場) 6.5 彼女1人入るだけで試合のテンポが格段に上がり、タイトなプレーも増えてダイナミックな試合へと変貌。常に周囲を鼓舞し、なぜ彼女が今大会の主将に選出されたのか?がはっきりと分かった。
MF中島依美 6.0 先制ゴールやセットプレーも担当。SBや中盤全てのポジションに適応できるオールランドぶりも発揮し、追加招集とは思えない活躍。ただ、ココ止まりなのがこれまでの代表でもINACでもの現状。一皮剥けるか?
FW有町紗央里(81分まで出場) 6.0 男子の元日本代表FW柳沢敦に似た鋭い動き出しで自らシュートに持ち込んだり、チャンスメイクしたりと幅広い活躍。ただ、シュートが入らないのも本家に似てしまっているのは皮肉。
→FW横山久美(81分から出場) 4.5 運動量が少なく、せっかく味方が懸命に奪ったボールを簡単に失うなど軽いプレーが目についた。2部リーグとはいえ得点ランクを独走しながらも、この2戦で先発起用されない理由をさらけ出した。
FW田中美南 5.5 90分間フルに動き回って攻撃にリズムを作る。鋭いドリブル突破でフィニッシュにまで持ち込む場面多かったが、シュートが弱くなる事も多かった。有町と共に好プレーが多かったが、コンビとしての補完性は微妙。