イングランドサッカー協会は、来季からの非EU国籍の選手枠を現在の半分にする規定草案を公表した。英国政府と交渉の上で来季から導入したい考えのようだが、これが如何にも自国代表の弱体化のしわ寄せを非EU国に押し付けただけのものにしか私には思えない。
というのも、今までの非EU国籍選手が英国内リーグでプレイする際には英国の労働許可証が発給されなければプレイできないのだが、その要件は非常に高く、
- 1)FIFAランクが70位以上の国の選手であること
- 2)自国のフル代表での出場率が過去二年間で75%以上あること(親善試合は含まず)
- 1)FIFAランキングが50位以上の国に変更
- 2)FIFAランキング30位以内の場合はフル代表出場率30%以上
- 3)以上の条件に加えて移籍金が1000万〜1500万ポンド以上の優秀な選手
- 4)英国内の労働許可証の発給はプレミアリーグのクラブのみ
- 5)他クラブへローン移籍された選手が英国の労働許可証の発給を受けて英国へ戻ることは認めない
- 6)異議申し立ては手順の不備があった場合に限る
というものであった(過去にはこれをクリアできず、涙を呑んだ選手も多い)。
それが新しい草案ではこのように変更される。
、
という具合になる。正直な話、現状では日本代表に選出されている選手でこれを満たす選手というのはなかなか居ない。
そして、二部リーグに当たるチャンピオンシップでのプレイも認められないこととなる。
しかしながら、現在プレミアリーグで活躍する選手はほとんどがEU国内の選手が多いため、自国代表の弱体化の大きな理由の一つになっているのを、非EUに擦り付けただけのものであり、これがイングランド代表強化に繋がるものではない。ましてや、この草案の理由が、『非EU籍選手は役に立たない選手が多かったから』、というものであり、言いがかりに近いわけで、結局は緩やかに自国の首を絞め続けるだけの結果に終わりそうだ。