かつてオーストリア・ブンデスリーガでしのぎを削ったロジャー・シュミットとペーター・シュテーガー両監督。
その際は直接対決2試合共にシュミット監督率いるレッドブル・ザルツブルグが勝利しており、シュテーガー監督としてはその際、リーグを制覇したものの心残りを残してのケルンへの監督就任となっただけに、ここでその際の心残りを清算したいところだろう。
ケルンに所属している日本人選手は長澤選手は感染症を患ったために欠場となっており、大迫選手はベンチからのスタートであった。
レバークーゼンはいつも通りの4−4−2の布陣だが、水曜日のCL、モナコ戦で負傷したトプラクと練習中に肩を負傷したドナーティが欠場となり、代役としてイェドバイとヒルベルトがそれぞれ入っている。
一方、ケルンは5−2−2−1とサイドから攻めてくるシュミット戦術対策を練って対抗するという形になった。
試合は序盤からいきなり動いた。開始すぐでボールが落ち着かない中、CB間が大きく開いたその間隙に入れられたスルーに反応したレーマンと一対一になったレノが引っ掛けて倒してしまい、PKを献上。
ケルンはレーマンがそれをきっちり決めて先制するという、意図しない幸運な形で始まった。
ケルンはこれでしっかり守って高い守備ラインの裏へウジャーを走らせるというシンプルな戦術を遂行するだけとなった。
それが功を奏し、再びケルンはウジャーの飛び出しからチャンスを掴むも、PKかどうかのきわどい判定は流されてしまう。
しかし、このプレイを皮切りに流れはレーヴァークーゼンに傾いていく。
ゴール前でのFKのチャンスに、チャルハノールが蹴ったボールをケルンのキーパー、ホーンがファンブル、そのこぼれ球を詰めていたベララビが押し込んで同点に追いつくと、ケルンゴールへのプレッシャーをどんどんと強くしていく。
しかし、前半は攻めきれず、同点で折り返しとなった。
後半開始に辺り、動きを見せたのはレバークーゼン。
動きは良かったものの、前線での脅威とはなっていなかったキースリングを下げ、ドルミッチを投入したのだ。
キースリングのような前線でのターゲットになる動きは少なかったものの、推進力という意味では彼より上であるドルミッチの投入がケルン守備陣のリズムに少しずつ狂いを生じさせていった。
結果、3点目までは保たれていたケルン守備陣の連携が完全に崩れてしまい、最終的に5−1という大差での決着に繋がってしまったと考えている。
要因はもちろん、彼だけではない。
しかし、彼の投入による前線の化学変化が要因の一つであることは間違いない。
ここまで期待されながらなかなか出番が無かったドルミッチだが、この2ゴールで再び自信を取り戻せれば、レバークーゼンにとっても大きな武器となるだろう。
次節はバイエルン・ミュンヘンとのアウェイ戦となるが、中々に面白い試合となりそうだ。