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キリンチャレンジ杯、日本VSイラク ~宇佐美は魅せたが新たなスター決め打ち報道に危険あり

 確かに3点目のアシストというより「お膳立て」と表記した方が良いかもしれない一連のプレーは絶品のクオリティが詰まっていました。少し前に筆者が書いた「アルゼンチン人FWを想起させる」という部分も感じられるようなDFを引き付けるドリブル。岡崎へのパスも、相手DFと勝負するよりも、まず相手GKと駆け引きした上でパスしているからこそタイミングをズラすような最高級のアシストになったと言えます。

 【参照】決定力とは?DFよりもGKと勝負するアルゼンチン人FWの例
 

 しかし、その最高級のプレーを見せた後、前半の残り15分間でボールタッチ僅か1回。後半は21分までのプレーで同7回。少なすぎます。そもそも2点リードからのアシストであった事も勘定に入れると、どう考えてもヒーローインタビューにはそぐわないプレー内容と言えます。

 本田は先制点だけでなく右サイドから中央へ走り込んで得点に絡もうとするプレーも多く、宇佐美と同時に交代でベンチに退く間際にも右サイドからカットインしての強烈な左足ミドルシュートをポスト直撃させています。香川は中盤と前線をリンクするために走行距離はチームトップを記録し、岡崎はFWとして得点を記録した上でボール際の競り合いで粘り続けていました。じゃあ宇佐美は?

 「クオリティ」だけ魅(見)せて消えて行った選手はたくさんいます。宇佐美の能力が本田・香川・岡崎よりも上なのはサッカーファンなら誰もが分かっている事であると言えます。それは初めて日本代表に招集された2011年の段階から分かっている事。そこから何が出来るか?を見せて欲しいのに、あれだけで・・・。
 もちろん、アルベルト・ザッケローニの「超」がつくほどの固定メンバー起用の弊害を受けて経験値を積み上げられなかったのが宇佐美であり、柴崎。彼等が現在になって活躍する事よりも、ブラジルW杯が終わった時点で22歳になった段階に置いて共に代表キャップがゼロだった事の方が「サプライズ」です。この日は途中出場だったFW武藤嘉紀が大学リーグで3年間プレーしていながら、宇佐美や柴崎よりもキャップ数でリード(武藤が12試合、柴崎が8試合、宇佐美が3試合)しているのは何が問題なのか?単純に守備やハードワークという部分だけではないのではないでしょうか?

また、宇佐美がヒーローインタビューなのは、マスコミが試合前から決めていたはずの「新たなスター決め打ち」報道であるのも危険。競技内容ではなく、単純に華のあるスター選手にだけ頼る報道は結果と内容が違ってくれば違和感どころか白けさせられる「一卵性共倒れ双生児」になる。「個人技に頼っている」のはマスコミなのかもしれない。柿谷曜一郎を絶賛していた日々はどうへ行ったのか?

では、最後に日本代表出場選手の個人採点と寸評をお楽しみ下さい☆

【選手個人採点&寸評:MOMは柴崎が妥当】

先発出場
選手 採点 一言
GK川島永嗣 5.0 相手が2軍でコンディションも悪く、ほぼボールも来ず。それでも慌ただしい対応を見せて不安定なプレー。
DF酒井宏樹 5.5 長友が攻撃で幅を提供したのと比べると・・・内田篤人の不在を感じさせる低調な出来。武器のアーリークロスを狙うキックを観たい。
DF吉田麻也 5.0 疲労?ビルドアップでもミスがあり、味方を殺す方のキラーパスもあった上で、簡単に裏を取られて川島や槙野を慌てさせる場面も。
DF槙野智章 6.5 最も気合いが入っていた選手。相手FWに前を向かせないように対応して締めた。得点まで決めたのだからMVP級の働き。
DF長友佑都 6.0 誰よりもスプリントを繰り返して試合勘を取り戻そうと奮起。クロスやパスが相手に当たる事が多くて快調とは言えないが、観ていて不満はない。
MF長谷部誠(76分まで出場) 6.5 やはり彼を越えるボランチがいない。「変えていく勇気」という著書を発表したベテランMFがいるが、彼こそが「変えていく勇気」を体現している選手。まさかドイツでアンカーとしてプレーする姿を浦和レッズ時代からは想像できない。
→MF谷口彰悟(76分から出場) 5.5 縦への意識だけで間延びする事が多かった試合。ボールを落ち着けて修正に注力。彼は川崎フロンターレではボランチとしてプレーしているらしい。実況はあてにならないと分かった。
MF柴崎岳(85分まで出場) 7.0 先制点のパスだけでなく、中盤のルーズボールの回収やプレッシングのカヴァーリングで彼が成長を見せた事がこの試合の大きな収穫。
→MF山口蛍(85分から出場) 短時間出場のため採点不可も、いきなり高い位置からのボール奪取でフィニッシュ直結のプレーを見せるなどアピール出来たはず。
FW本田圭佑(66分まで出場) 6.5 何だかんだで最も身体を張ってプレー。トップ下でなくても貴重な先制点だけでなく、それ以外でも「主役ぶり」を感じさせた。
→FW永井謙佑(66分から出場) 5.5 スピードある抜け出しで4点目に絡む動きもあったが、クロスを送るタイミングなど判断が遅く、スピードはあっても相対的に「遅い選手」になっていた。
MF香川真司(66分まで出場) 6.0 中盤が間延びする試合運びになる中で唯一その部分を意識して調整。現状はそれが「適任」かもしれない。
→FW原口元気(66分から出場) 6.5 久しぶりの代表戦での嬉しい気持ちとアピールしたい闘争心を高い次元で融合させるプレーで得点以上に持ち味を見せた。
FW宇佐美貴史(66分まで出場) 5.5 アシストは最高級だったが、プレーに絡む回数があまりに少ない。少ないなら少ないで決定的なプレーを常に狙って欲しい。代表での立ち位置を模索中。
→FW武藤嘉紀(66分から出場) 5.5 中盤からのパスを引き出す動きや、クロスを入れるタイミングを見ていると、国内組の攻撃陣の中では最も心得ている。
FW岡崎慎司(73分まで出場) 6.0 プレーに絡むとタダでは終わらない粘り強いプレーでボール際をマイボールにしていく姿はこんなにも尊いものなのか?と感心させられる。
→FW大迫勇也(73分から出場) 5.5 持ち味のポストプレーで特徴は見せたが、シュートを狙える場面で打てず。これではケルンでの立場と同じ「良い選手」止まり。