世界最大のロシアと欧州七番目の小国の奇妙な関係
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人口八十万人に満たない地中海の海洋国家キプロス。EU加盟国最東で面積は四国の半分。小さ国を順に数えるならば、バチカン、モナコ、サンマリノ、リヒテンシュタイン、マルタ、アンドラに次いで欧州七番目。税制優遇措置をアピールして厳寒の地で暮らすロシアのオリガルヒなど海外富裕層の預金をごっそり取り込んだ。クレオパトラ:Cleopatra【紀元前69年生-紀元前30年没】を魅了した世界最古の貴腐ワイン=コマンダリアだけではない。他にも希少なキプロス土着品種が味わえる。ギリシャ系住民の約八割が正教を信仰するキプロスと正教文化主義のロシア。更にトルコと長く対立してきた両国のれきしを重んじキプロスへの手厚い支援を厭わない北の大国。ロシアの国土全体には千八百ぐらいのキプロス島が収まる。
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筆者が二十代の頃に訪問した台北では、日本語が話せる高齢者達との出逢いがあった。日本が統治した1895〜1945年に教育を受けた世代である。深刻な経済状況の旧ソ連諸国から、欧州西側各国へ移住する人が後を絶たなかったのが’90年代。この中にはキプロスを選択する人々が結構いたようだ。二年前のキプロス滞在時に、まず驚かされたのはロシア語表記に代表されるロシア文化の浸食。そして明らかに見た目はキプロス人なのにロシア語で会話をしている自分と同世代のオヤジ達に話しかけられた。ソ連崩壊以前から語学や芸術、またテクノロジー分野の学位取得のため、モスクワ大学やサンクトペテルブルク国立大学で留学していたそうで、同時期「自分はバレエの短期留学に付き添ってソ連とロシアを度々訪問してました。」と応えたから距離が僅かに縮まった。かつてロシアが留学先として高い人気を誇っていたらしい。疑わしい気もしなくもないのだが。そして現在キプロス在住者を遥かに凌ぐキプロス出身者が欧州だけでなく北米や豪州、南アフリカなどの英語圏で暮らしている。
現在APOELニコシアでプレーする元キプロス代表のストライカー
ピエロス·ソティリウ:Pieros Sotiriou【1993年1月13日生】も’22年から日本での生活を経験。ルヴァン杯決勝での同点&逆転弾でその名前を知った。「ピエロス 日本でどう?」と声を掛けられたから取り敢えず笑顔で親指を立てたが、そのプレーを見ておらず、おきまりの社交辞令。
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