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J1リーグ第32節浦和レッズVSガンバ大阪 ~試合巧者による総力熱戦

 反面、攻撃では「リスクを賭けない攻撃サッカー」とでも言えば聞こえは良いものの、特にガンバは宇佐美とパトリックの個人技頼みという効果的ながら単調な戦い方でした。
 また、レッズも先発メンバーを日本人で統一した布陣で、得意の後方でのポゼッションからバイタルエリアまでボールを運んだとしてもフィニッシュへの意識が低く、シュートの少ない試合展開となっていました。
 その中で17分、ガンバが左サイドでボールを繋ぎ、ワイドのジェソクから内側へのオーバーラップでスペースを突いた今野へのスルーパスが通り、フリーの今野から速いクロスがゴール前へ。合わなかったものの、中盤から攻め上がった遠藤を含めて3人が飛び込んでの迫力のある攻撃でした。

 その後、試合展開が落ち着き、ホームの観衆を味方に付けたレッズがボールを持つ時間帯に。

 しかし、レッズFW李忠成がエリア内で粘った最高のポストプレーから決定機を作っても、柏木陽介や梅崎司の両シャドーはシュートすら撃てず。

 結局、レッズは15分からシュートすら撃てないまま、ペースはホーム陣営が握りながら緊張感のある試合はそのままスコアレスで前半を折り返しました。

冷遇されていた交代要員3人の爆発による感動的な勝利~不思議な試合でもあり、ガンバというよりモウリーニョのチェルシーに似た”ブルーズ”

 
 両チーム選手交代なしで迎えた後半も変わらずレッズがボールを持つ試合展開に。
 ガンバは宇佐美が53分にミドルレンジから自身初のシュートを放ったものの、その宇佐美がレッズ主将MF阿部勇樹のマークの前に沈黙どころか、ボールロストが多過ぎてカウンターにも持ち込めない状況。加えて、パトリックにはDF槙野智章が前半以上にタイトにマークに付くだけでなく、組織な守り方とパトリックの縦にしかボールを運ばない癖を読んでいるかのような見事な対応により、ガンバ自慢の最強2トップは完封されていました。

 そして、ガンバの攻撃を完全に抑えていたレッズは満を持して56分にMFマルシオ・リシャルデス、64分にMF関根貴大という攻撃的なカードを相次いで投入して攻勢に出る。
 そして、67分には波状攻撃が続いて中盤のMF青木拓矢が攻め上がってのシュート。DFに当たってのこぼれ球をエリア内から再びの青木のシュートは外れたものの、枠に飛んでさえいれば決まっていたものでした。

 82分にはロングボールをエリア内で巧みなポストプレーで落とした李忠成、柏木が絡んでのパスに、宇賀神友弥がエリア内左でフリーで放ったダイレクトでのシュートが低い弾道で枠を捉える決定機。
 しかし、これをガンバ守護神GK東口がビッグセーブで防ぎ、何とか均衡を保つというガンバにとっては苦しい試合展開。
 ただし、ガンバも71分に宇佐美を諦めて久しぶりにリンスをFWで投入。74分には運動量の落ちたMF大森からMF倉田へスイッチし、83分にはFWパトリックも諦めてFW佐藤を投入するという立て続け3連打の交代策で挽回に撃って出ました。

 そして85分、バイタルエリアのギャップで受けた阿部が今度は自ら放った弾道の低い左足ミドルシュートは枠を捉え、こちらも日本代表GK西川のビッグセーブで得点にはならなかったものの、この大胆采配が功を奏しました。

 87分、レッズの右FKをクリアすると、リンスと阿部の2人で持ち上がり、阿部のパスが相手に当たってDFライン裏に。再びリンスが受けるとDF2人を相手にフェイントと緩急を付けたドリブルでタメを作りながらのチャンスメイク。この間、クリアから一目散にゴール前に走り込んだ右SB米倉がゴール前で倒れるぐらいの囮となり、ピッチに登場したばかりの佐藤がフリーとなってリンスのお膳立てからのパスを流し込み、ガンバが土壇場で先制。0-1。

 焦るレッズは本人が「骨はまだくっ付いていない」というFW興梠慎三を投入して極端に前がかりに。
 ガンバは相手陣内の深いところで冷静にゲームを進め、相手のスローインからのボールを今野がすかさず奪い取り、ゴール前でDFと1対1の倉田へ的確なパス。DFを外した倉田の左足のシュートがネットを揺さぶったのは、すでに93分で0-2。絵に描いたようなショートカウンターでした。

 試合の方はそのまま終了。集中力と激しさも際立っている素晴らしい試合内容でしたが、冷静に観ると不思議な点が。
 勝てないといけないガンバ、引き分けでも良かったレッズの優勝争い直接対決の天王山でしたが、なぜか引き分けでも良いレッズが先に仕掛けて自滅したような気もする結末で試合が終わったような気もする不思議な試合でもありました。ホームで優勝を決めたいというのがプレッシャーになったのでしょうか?

 また、この日も相手が主導権を握り続ける展開からのカウンターで勝利したガンバは、やはり攻撃的サッカーとかポゼッションサッカーというよりも、長谷川監督が好きなジョゼ・モウリーニョ監督のチェルシーに似ていると改めて感じました。ユニフォームの色も同じ”ブルーズ”ですから。

不発だった最強2トップを変えた勇気ある采配 ~天皇杯での活躍が期待される3人の意地で3冠を!

 この感動的ながら不思議な要素も込み合った試合の勝負を左右したのは両監督の采配だったというのは共通するポイントだったと思います。

 特に宇佐美&パトリックの個人技に依存するサッカーを良しとする長谷川監督がその”最強2トップ”を共に諦めたのはレッズ陣営にとっても意外性があったと思います。結果的にカウンターから仕留める事が出来たのも、最強2トップがいないから油断してたんでは?という一面もあったと思います。その中でガンバの途中出場したリンス・倉田・佐藤はチーム戦術と戦略を遂行した上で最高の働きを見せてくれたと思います。