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『女神』澤穂希は永遠に【皇后杯決勝】

 そんな新潟Lを相手に前半のINAC神戸は、中盤でのパスワークでの絡みからFW高瀬愛実がミドルシュートを放ったり、セットプレーからのDF田中明日菜がヘッド、左SBの鮫島彩のカットインからのドリブルシュートなど攻撃にバリエーションは見せていた。前半の終了間際にはMF中島依美がエリア内に走り込んでスルーパスを受けてゴール前の至近距離からシュートする決定機を迎えていたが、集中力の高い新潟Lの堅守の前に決めきれず。しかし、決定機はこの1本だけだった。決勝戦らしい緊張感の高い試合はスコアレスで前半を折り返す。

 選手交代もなしで迎えた後半、上尾野辺が中盤でプレーした新潟Lの方がペースを握っていたとも言えた試合内容だった。実際、後半のINAC神戸のシュートは澤がCKに合わせた2本のみ。90分トータルでもINAC神戸のシュートは7本のみで、新潟Lは8本だった。
 
 INAC神戸にとっては苦しい展開だったが、「苦しい時は私の背中を見なさい」と澤の残した名言通りに、INACの選手はもちろん、新潟Lの選手も球際で粘り強く戦った。そして、澤自身も現役ラストマッチで圧巻のプレーを見せたのは、この球際での強さやボール奪取の部分だった。華やかなイメージのある澤だが、彼女は特別際立った魔法のようなテクニックを持つわけでもなく、セットプレーでもキッカーを務めるような選手ではない。ただ、この日もボランチとして試合を支配していた。

 そして、78分。川澄の右CKから上がったボールがゴール前中央に。澤が勢い良くジャンプすると、高い打点で放ったヘディングシュートがゴールに吸い込まれるように決まってINAC神戸に値千金の先制点が入る。

 その後、相手に決定機を作らせず集中力高く守り切ったINAC神戸が2年ぶり5度目の皇后杯優勝。現役ラストマッチとなった澤による「シナリオ通り」の決勝点で有終の美を飾った。

 やはり、澤穂希とはサッカーの『女神』だった。