64〗Grigoris Lamprakis Stadium / アテネ

第64話はそのランブラキスの名前を冠したアテネ·カリテアのスタジアム。まず撮影して思ったのはユニフォームがスタイリッシュで写真映えする。2022年9月、新たなビジュアル·アイデンティティが発表され、デザインを手掛けたのドイツミュンヘンのスタジオ·ビューロ·ボルシェ。代表はミルコ·ボルシェ:Mirko Borsche【1971年12月19日生】氏。メ-カ-は1950年代に生まれたイタリアのスポーツブランド”Kappa”。アダムとイヴが M 字をつくるロゴマ-ク。ちなみに二人の頭に皿はない。古代ギリシャ文字ではKをカッパと発音していたらしい。そもそもこのクラブのエンブレムが最高にク-ル。明朝体のようなエッジの効いたKの一文字。
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この秀逸なウェアを身に纏う上写真22番はゲオルギオス·ムスタコプロス:Georgios Moustakopoulos【1998年8月13日生】。元U21ギリシャ代表のミッドフィ
ルダーは昨季のカラマタFCから、今季はアナゲンニシ·カルディツァレに移籍しており、異なるクラブでギリシャスーパーリーグ(GSL)二部を戦うのは三シーズン連続となる。
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数的ハンデを気迫でカバ- 昇格に大きく前進

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1966年8月に五つの地元小クラブが合併。’70年にランブラキス·スタジアムが完成してから三十年を経て、2002年に悲願のトップリーグ初昇格を果たす。2005-06シーズン最下位で二部降格するとまたも長い冬の時代が到来。更に08-09シーズンは最下位で三部へと転げ落ちる。’20年の四部優勝から上昇カ-ブを描き、翌21年は六位でフィニッシュ。2021-22シーズンは34チームが参加するGSL2に昇格する。
あの日あの時は■2024年2月12日ギリシャスーパーリーグ二部第 21節アテネ·カリテア対GSイリオウポリス。前節スコアレスドローで連勝が四でストップした首位カリテアの勝ち点は三十七。対して四連勝で追いかけるイリオウポリスは勝ち点三十二。試合は前半三十六分スペイン人のハビエル·マティージャ:Javier Matilla【1988年8月16日生】がPKを決めて先制。ビジャレアル時代の’09年には、U21欧州選手権予選に出場。チームメイトには シャビ·マルチネス:Javi Martinez【1988年9月2日生】やセサル·アスピリクエタ:César Azpilicueta【1989年8月28日生】がいた。’18年キャリア初の海外移籍先はアリス·テッサロニキ。’20年にヴォロスNPS、そしてカリテアで四シーズン目を迎えるからエ-ゲ海の水があっていたらしい。
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イリオウポリス戦は四分後アウェーチームに追いつかれ同点でハーフタイムに。すると指揮官は後半頭から二枚カードをきる。右サイドハーフと右のボランチを入れ替えて4-2-3-1は変わらず。入ったのはムスタコプロスと負傷で十月から長期欠場を強いられ前節復帰したばかりの27番ティエリー·モウティー二ョ:Thierry Moutinho【1991年2月26日生】。両親はポルトガル人でも本人はジュネ-ヴの出身。U16スイス代表のユニフォ-ムに袖を通していた当時はストライカ-。’11年6月イタリアとのU20の親善試合からはセルヴェット所属ながら 両親の祖国ポルトガルへと鞍替え。才能の宝庫、原石が国内に転がる同国が国外の選手を招集するのは意外と珍しいケ-ス。スペイン二部のアルバセテ、マヨルカ、テネリフェと渡り歩きラ·リーガ二部では九十八試合に出場。’17年から’20年まではCFRクルージュとFCSB所属でルーマニアに。‘19年にはUEFAヨーロッパリーグプレーオフまで勝ち進んだがプレーオフで涙を飲む。相手はポルトガルのヴィットーリア·ギマランイス。現在はGSLのAEラリッサに所属し
ている。
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