そんな今季苦戦する広島にとってのターニングポイントとなったのはJ1リーグ第18節の鹿島アントラーズ戦だった。リーグを2連覇している広島が“リーグ最多タイトルホルダー”にアウェイで5-1と大敗したこの試合の後、森保監督が覚悟を決めた。絶対的エースのFW佐藤寿人を先発どころかベンチからも外したのだ。
「コンディション不良」という表向きの理由や監督批判を行ったという噂もあるが、理由はどうあれ、以降のリーグ戦で佐藤の先発出場は1度もない。
時を同じくして第19節のサガン鳥栖戦で途中出場から決勝点を奪った大卒ルーキーのFW皆川佑介が第21節のセレッソ大阪戦より先発に定着する。石原直樹の負傷離脱もあった上での抜擢だが、チームは上記の鹿島戦の大敗に代表されるように、連覇の原動力であったはずの堅守が決壊。それにより失点回避を優先するシフトをとっているのは以降の試合の数字を見れば明らかだ。
そして、その後方へ重きが置かれた点と照らし合わせて結果を示し始めた皆川の高さという武器は現状のチームに不可欠な要素であった。
また、それは連覇していたチームにあっては進めきれなかった世代交代も視野に入れた指揮官の勇断であった。そして、皆川はハビエル・アギーレ日本代表新監督により代表へもサプライズ選出され、ウルグアイ戦では先発のピッチに立った。