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昇格争いから一転して7位へ後退のハリマ ~彷徨って途方に暮れても明日は来る!【プレナスなでしこリーグ2部第12節、ASハリマVSニッパツ横浜】

 これまでは良く言えばダイナミック、悪く言えば大味だった攻撃に、意図的にテンポを落とした攻撃やゴールライン際まで突破する深いサイド攻撃を組み合わせていけるのか?昇格争いに踏みとどまるための戦いは、自陣へ引いた相手を崩す術がポイントだった。

ボールを持たされ、中盤を作れず、背後を突かれる

 試合は、両チームが共にオーソドックスな<4-4-2>のシステムを採用してスタート。相手とのマッチアップが噛み合うミラーゲームは堅い入りを見せた。

 ハリマはCBに入ったDF宮本裕加と、左サイドMF沼田倫子が今季リーグ初先発。さらにチーム最多のリーグ6得点を挙げているFW葛馬史奈が、この日は従来の右サイドMFではなく、2トップの1角としてプレー。これにより、中盤はMF小池快以外の選手がここまでのシーズンでは見慣れない構成となっていた。

 そんな中、開始10分。ニッパツ横浜の主将・MF山本絵美が.右CKからニアポストを狙った鋭いキック。10番を着るFW柴田真奈未にニアサイドをブチ抜く強烈なヘッドを叩き込まれ、ハリマは前節に続いての先制点を許す。170cmの長身CB西山を欠いた影響がセットプレー時に大きく響き、この後もCKのたびにあわやのピンチを招いた。

 武田と虎尾がそれぞれ1列下がったポジションで起用され、後方でパスを回す際にはGKも開いてボールを受けようとしていたハリマには、速攻だけでなく遅攻を狙う準備もして来たであろう跡が見えた。

 ただ、連携面で乏しさを露呈した中盤は、攻守共に後手にまわっていた。攻撃面でチャンスに繋がったのは、葛馬が個人技でマーカーを剥がして前を向けた時のみだった。

 逆にボールを“持たされていた”感があったハリマは、ニッパツ横浜のカウンター攻撃で簡単に背後をとられて抜け出される場面も多かった。前半終了間際にもカウンターからGKと1対1の場面を作られたが、GK切畑琴乃の好守がなければ完全に追加点&ゲームセットになる状況だった。

後半開始早々の決定機以降は沈黙

 後半、両チーム共に選手交代なしで入ったものの、ハリマは葛馬を本来の右サイドMFに配置。武田のロングフィードや虎尾のワンタッチパスから葛馬を突破口にしたワイドな展開を狙って入った。

 51分、最終ラインの武田から葛馬へ通ったロングフィードから、最後はぺナルティエリア外から虎尾が技巧的なループシュートを披露。クロスバー内側に当たるもゴールならず、跳ね返りをFW内田美鈴が狙うもオフサイドの判定。

 直後には素早い攻守の切り替えから抜け出したFW内田が、左サイドからゴール前へフリーで抜け出した葛馬へ絶妙なスルーパス。GKの動きをも外す鋭いラストパスだったが、葛馬のシュートは枠を外れた。決定機だった。

 この時間帯、ハリマは右サイドMFに佐野早紀、FWに清水あかね、と今季リーグ初のベンチ入りとなったフレッシュなアタッカーを立て続けに投入。特に佐野は右サイドから何度か好クロスを供給していたが、中央のFWと息が合わず。そのあとが続かなかった。

 この日は自陣に引いても中央を割られる脆さも露呈してしまったハリマ。得点が欲しいはずの3人目の交代カードにCBの西山を選ばざるを得なかったことが、苦しいチーム事情を象徴していた。

 2試合連続での0-1の完封負けによる連敗。中断前から数えると、リーグ4連敗となったハリマ。同日開催の2位・C大阪堺Lが勝利したため、勝点は11の大差となった。翌日に勝利した首位・日体大とは同14ポイント差となり、悲願の1部昇格は限りなく厳しくなった。それどころか、この日勝利した対戦相手・ニッパツ横浜には、順位の上でも交わされて7位へと大きく後退してしまった。(以下、順位表参照)

復帰が近づく大黒柱・千葉園子をどう活かすのか?

 ハリマにとって現在も戦線離脱が続いている大黒柱のFW千葉園子の不在は確かに大きい。前線にロングボールを放り込んでも競り勝てる選手がいないし、サイドからのクロスを男子顔負けの打点の高さと強烈なヘッドでねじ込める千葉は、唯一無二の存在だ。

 ただ、千葉の欠場は最近になって始まったわけではなく、カップも全試合(8試合)を欠場していた。大き過ぎる存在なだけに試行錯誤が続くのは理解できるが、この日のように前線の選手がとっかえひっかえされる状況では、選手たちもキツイだろう。特にこの日は3回もポジションが変わった葛馬には、そのしわ寄せが来ている。本来の持ち味を出せないようだと本末転倒だろう。

 幸い、この日の試合前のイベントやウォーミングアップではピッチ上に登場した千葉(上記写真)の復帰は近い。だからと言って、「千葉が復帰すれば問題解決」、とも言えないだろう。彼女の能力をどう活かすのか?2トップの1角に組み込むのか?それとも?