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プレミアリーグ第26節アーセナルVSレスター  〜首位を土俵際に追い詰めたアーセナルの寄り切り勝ち

 それでもアーセナルの攻撃に対する免疫が付き始め、徐々にカウンターからフィニッシュに迫る時間を作ったレスターは前半終了間際、ピッチ中央で両チームのMF陣がセカンドボールを競り合う中でボールを奪い切って、電光石火のカウンターを発動。セントラルMFのカンテが右サイドのスペースに抜け出し、たまらずアーセナルのフランス代表DFローラン・コシールニーがファウル覚悟で体ごと止めに行くも、前線のヴァーディーへ好パスを通される。ヴァーディーはドリブルでエリア内に持ち込みながら、対面のアーセナルDFナチョ・モンレアルを自分の間合いに誘い出し、縦へ抜け出すと同時に相手に体を預けてファウルを誘い、見事にPKを獲得。自らPKキッカーを務めたヴァーディーは名手・チェフの逆をつくキックでゴールに沈めて、アウェイの首位・レスターが前半終了間際に先制。

 さらに悪い事に、アーセナルはその失点前のカウンターを受けた時の対応でコシールニーが負傷。後半開始から本職右SBのカラム・チェンバーズと交代する二重苦を味わう。

レスターの”穴”を攻略~途中出場選手の2得点で劇的な逆転勝利を導く

 ただし、後半に入ってからのアーセナルは徹底してレスターの“穴”を突いた。それは快勝した前節のマンチェスター・シティ戦でも明らかだった通り、右SBに入るダニー・シンプソン。シンプソン自体も“穴”だが、その前にポジションをとるリヤド・マーレズが守備ブロックに入るのが遅れたり、寄せが甘いために生じる弱点がこのエリアにあるのは明らか。そこをこれまでは岡崎の超過労動で埋めていたものの、アーセナルは後方からの攻撃の起点が複数あるため、岡崎がそちらのチェックに奔走させられて穴が埋まりきらなかった。

 こうして、通常は高い攻撃性能と加速力に優れた右SBのエクトル・ベジェリンのいるサイドから崩す攻撃が得意なアーセナルが、徹底的に左SBのモンレアルを攻撃参加させて左サイドから攻略した。モンレアルの攻め上がりにより、左ウイングのサンチェスが中央に寄ってエジルやジルーと絡む回数も増え、流れの中から鋭いシュートも連発。そして、この徹底策に対応できず、シンプソンは54分という早い時間帯に後半に入ってから僅かな時間で2枚も警告を受けて退場処分に。61分に岡崎が交代でピッチを去った後はこのサイドは放し飼いのような状態になった。

 そして、アーセナルは岡崎がピッチを退いた状態で守備専任のMFコクランに替えて、右サイドにFWテオ・ウォルコットを投入。3列目にチェンバレンを回す超攻撃的布陣で得点を奪いに出る。功を奏したのは70分、右サイドからベジェリンが上げた速いクロスを中央で戻りながら受けたジルーが巧みなポストプレーで裏に抜けるウォルコットへラストパス。見事にダイレクトで蹴り込んだウォルコットのゴールが決まって同点に。

 それでも勝たなければ優勝が遠くなるアーセナルは、82分にボランチに入っていたチェンバレンに替えて、10カ月ぶり復帰のFWウェルベックを投入してジルーとのツインタワーにして力ずくで逆転弾を狙いに出る。度重なるモンレアルのクロス、エジルの広角クロスやセットプレーからジルーやサンチェス、メルテザッカーが決定的なシュートを放つものの、この日は特にジルーのフィニッシュが上手くいかない。87分にはジルーがエリア内でモンレアルのクロスを最高のトラップで左足に置き、待望の逆転ゴールと思われたシュートも相手GKシュマイケルが再びのビッグセーブ。その2,3分の間に超がつくほどの絶好機が3回あったが、スコアは動かず。レスターの思惑通りのドロー決着が濃厚になって来た。

 しかし、アディショナルタイム4分の表示で迎えた95分。アーセナルが右45度からの中距離でFKを獲得すると、スポットに立ったエジルの左足から放たれた放物線を描くボールの先には、ゴール前中央で長身選手が密集する中でマークを外したウェルベックが。思いっきり頭を振り抜きながらも、叩きつけるような教科書通りのヘディングシュートが決まり、値千金の逆転ゴールが決まる。

 ウェルベックの得点の直後、間もなくタイムアップのホイッスルが鳴り、アーセナルが劇的な逆転勝利。

 前回対戦でも勝利したアーセナルが優勝争いの直接対決であり、「勝点6の価値がある」シックスポインターを制した。ちなみに今季前半戦でも2-5で勝利しているアーセナルは、今季の首位を走るレスターに対して「唯一のダブル」を食らわしたチームとなった。(注:レスターはここまでリーグ戦3敗のみで、前半戦で敗れたリヴァプールには先日勝利している)