女子W杯カナダ大会もなでしこJAPANが戦うバンクーバーで行われる決勝戦のみ。

 相手は4年前のドイツW杯決勝、3年前のロンドン五輪決勝でも共に決勝で顔を合わせたアメリカ合衆国。

 国際大会3大会連続の同一決勝カードとなれば、正真正銘の世界女王決定戦に相応しい対戦です。MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)の決勝は勝手に「ワールドシリーズ」と名乗っていますが、今回のサッカー女子W杯の決勝ほど「ワールドシリーズ」に相応しい対戦カードはないでしょう。

 とはいえ、なでしこJAPANはグループリーグではFIFAランク4位のなでしこに対して、19位のスイス・53位のカメルーン・48位のエクアドルと実力で大きく劣る3カ国と同居したにも関わらず、非常に不安定な試合運びを繰り返していました。それは下記スタッツにも表れています。

 ただ、3戦全勝で切り抜けた事で「前回大会の優勝国」として決勝トーナメント以降は開催国・カナダに次ぐ有利なスポットに入る事に成功。優勝候補のアメリカやドイツ、フランス(FIFAランク1〜3位)と反対側のブロックに入ったため、準決勝まで優勝候補と言えるような対戦国とは当たっていません。

 ただ、もともとW杯イヤーの今年に入ってもアルガルベカップの9位惨敗を筆頭に、なでしこは決して順調にチーム作りが進んではいなかった中で、今大会に入ってから試合をこなしながらチーム力を高めて来ました。

 グループリーグで登録メンバーを23選手全員ピッチに立たせる事で、チームの最大値を引き出すベストメンバーの選定と共に、ベンチメンバーの臨戦態勢を整える事でチームは一丸となっています。
 特に決勝トーナメント以降は最前線からのプレッシングで高い位置からの守備意識が浸透し、中盤でボール奪取出来るようになった事が安定した戦いを見せられるようになった要因だと言えます。それは下記の表でグループリーグでのローテーション起用と、決勝トーナメント以降の起用法をチェックしてみて下さい。

ボランチに定着したMF宇津木瑠美が遂に監督の期待に応える

 グループリーグより確実に強敵になっていく相手国に対して、しっかりとした試合内容で勝ち切れるようになったのは、決勝トーナメントからボランチに定着したMF宇津木瑠美の存在が大きいと言えます。

 実際、準々決勝・豪州戦ではプレイヤー・オブ・ザ・マッチ(その試合のMVP)にも選出されています。

 宇津木は前回大会は完全な控えメンバーで、1年後のロンドン五輪では怪我のために招集外となっていた選手。
 ただ、佐々木則夫監督がロンドン五輪後に「自分達のサッカー」の先にあるものを狙って幾度にも渡って新たに主力に組み込もうとし続けているのが宇津木。