137〗Stadion Wankdorf / ベルン

試合が終了後スタジアム前の喧騒が落ち着き、真夜中人気のない大通りを駅方向に歩くこと十五分「こんな時間でも運行しているのか」と思いSchönburgのバス停で路線バスに飛び乗る。乗客は若くて綺麗なお姉さんと自分だけ。もしもバスに乗らずまっすぐ歩いていれば左側には樹木が繁り下り坂が続く。ローゼンガルテン·ベルンは旧市街を見下ろす高台に約220種のバラが植えられており、四月になれば奈良県から贈られたソメイヨシノが見事な花を咲かせる隠れた名所。
バラ公園からアーレ川に架かる二-デック橋を右手に見ながら更に進むとベーレンパーク:BärenParkがある。更に南方向に歩けばベルン動物園もあるのだが、気になるのはクマ公園。約六千平方メートルの敷地でほぼ自然の環境でヒグマを飼育している。公園だから入園時間の規制もなければ、入場料を払わなくても良い。2009年に近代的な施設へとリニューアルされて、広い空間で飼育されるようになったから三頭のヒグマも喜んでいるに違いない。このような施設を設けているのたから やはりベルンは噴水とクマの街。

東京近郊で見かけたことはないが、大阪に引っ越して一週間後に道路を横切るイタチを目撃。木葉の里の忍びではなく野生のイタチ。全国で捕獲されるイタチが全国の五割近いというのは嘘ではなかった。《鳥獣保護法》により、業者ではない素人が無許可で捕獲·殺処分すると懲役または罰金に処される(こともある)から増えもする。逆に大阪で見掛けず足立区北千住で目にしたのはハクビシン。サッカーグラウンドの芝生の上で遭遇したのは十年前だったか。その頃野良猫にエサをあげる困ったおばちゃんがいて、困ったことに野良たちがたむろっていた。ところがその日は猫が餌の皿から離れ怯えている。大きさは猫と然程変わらず「ハクビシン」かと思われたが顔に白い筋がない。果たして···あの生き物は何だったのか。今も謎である。
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Googleで《奈良 ベルン》と検索したら、AIによる概要は桜を通じた絆と表示した。1975年に奈良県在住の方から百本が贈られたとのこと。筆者の脳内では桜よりもクマ繋がり。
この原稿を書いている途中の昨晩北千住で、三十代の友人(昔の部下)と飲むことに。冒頭の熊が出たと話したところ、イソップ寓話で嘘を繰り返した結果狼に食われたのは羊だったか、少年本人だったかで意見が割れた。このての話は時間を経ているから背鰭尾ひれがついたり取れたりする。すると友人が一言「元奥さんも『うちの旦那は嘘つきだから熊に食われて死んだの』ぐらい言ってるかもしれませんね。」。
いやいや、そこまで恨まれてはいない。たぶん。〖第百話了〗
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