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29試合出場で5得点のFW岡崎慎司〜リーグ優勝へ導く献身的なFWの価値

 29試合出場で5得点のFW岡崎慎司~リーグ優勝を導く献身的なFWの価値

 「シンセーショナル」と現地紙も見出しを報じた、サムライの華麗な一撃だった。見事なオーバーヘッドシュートは、もしリーグ優勝すればハイライト映像のコアな部分で使われるであろう華麗なゴールだった。

 イングランド・プレミアリーグの第30節、首位のレスター・シティはマンデーナイトのホームにニューカッスルを迎えた。相手チームは試合直前に電撃的な監督交代があり、今年初頭までレアル・マドリーの指揮官を務めたラファエル・ベニテス新監督が就任しての初陣だった。

 降格圏に沈んでいるニューカッスルだったが、新監督就任でポテンシャルだけは凄まじい選手たちがモチベーションも漲らせて戦いを挑んで来ただけにレスターは苦戦した。実際、レスターの枠内シュートは日本代表FW岡崎慎司が決めたオーバーヘッドによるゴールだけだった。それでもレスターはまたしても勝ちきった。

 その後のクリスタル・パレス戦でも勝利したレスターは、2位のトッテナム・ホットスパーとの勝点差5差をキープ。残りは7試合。本当にレスターは優勝街道を走っている。今までは残留争いや下部リーグでのプレッシャーばかりだったが、優勝争いのプレッシャーを楽しんでいるかのように受け流している。

 そうは言っても、FWでレギュラーとして起用されている岡崎は29試合(先発22)も出場していながら、あの見事なオーバーヘッドによる得点を含めてもリーグ5得点に止まっている。物足りない。いくら献身的な守備力や運動量、中盤と前線を繋ぐ潤滑油のような重要な役割を担っているからと言っても、本人も納得していないだろう。

 しかし、岡崎はそれを恥じるべきではない。イタリアのASローマが2000-2001シーズンに18年ぶりとなる悲願のスクデット(リーグ優勝)を獲得した際のイタリア代表FWは岡崎以上に得点が少なかったのだから。

ローマを悲願のスクデット獲得に導いたイタリア代表FWは31試合3得点

 当時のローマを率いていたのは「優勝請負人」の異名をとるファビオ・カペッロ。どんなに退屈なサッカーをしてでも結果を最優先させる監督だ。2度のレアル・マドリーの監督時代は、どちらもリーグ優勝を果たしながら、「守備的過ぎる」との理由でどちらも1年で解任されるほどだ。

 そのカペッロ監督が就任して2年目を迎えたローマは、フィオレティーナからクラブの象徴だったアルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータを獲得。後に、「優勝を買った」と表現される補強で、バティストゥ―タはそれまでリーグ20得点以上を4度も記録していた。

 主に<3-4-1-2>システムを使っていた当時、単独トップ下に君臨していたのは現在も10番を着る”王子”フランチェスコ・トッティ。トッティは完全に守備を免除され、大金叩いて獲得した31歳のバティストゥータにも無理はさせられない。でも、カペッロは世界中見渡しても最も守備にうるさい監督。そこでカペッロ監督はイタリア代表FWマルコ・デルベッキオにトッティとバティストゥータの守備負担を負わせた。

 そして、バティストゥータは期待通りに20得点を挙げて優勝に貢献。トッティもそれまでのウイングやFWではなく、トップ下として本格的にプレーしたシーズンで13得点。それだけでなく、スーパーサブに降格したはずのイタリア代表FWヴィンツェンツァオ・モンテッラですら勝負所で投入されて13得点を挙げていた。