84〗Roazhon Park / レンヌ

戦火を逃れフランスにたどり着いた家族 少年はレンヌからマドリ-ドへ

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コンゴ共和国国籍の両親はエドゥアルドが生まれる僅か一ヶ月前の2002年10月に、激しい爆撃を受けるアンゴラのミコンジェで暮らしていた。四人の兄弟姉妹を連れてアンゴラを離れた家族が目指したのは自由、平等、友愛のエグザゴン:l’hexagone。最初はリール、その後アミアンへと移りレンヌから50km離れたブルターニュ北東部の町フージェールで平穏な暮らしを取り戻した。
英仏海峡に面した北部。一方南部は大西洋の荒波と風雨に削られた岩が独特の変化に富んだ景観を作り出し、かつて世界から若き才能が訪れ、後の名画を世に送り出したブルゴ-二ュ。時代は変わり、これからはビスケー湾の波に揉まれたアフリカの原石達が緑色のフィ-ルドで輝きを放つのだろうか。〖第八十四話了〗

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■写真/テキスト:横澤悦孝 ■モデル:有坂かずさ