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《編集部が行く》立正大学サッカー部インタビュー前編!

杉田守 サッカーに対して真摯な姿勢を、まずは周りの人々にしっかりと示すことが大切だと思います。良く言えば”縁”、悪く言えば”コネ”、そういったものが必要になるのは事実なので、まずはそのようなものをつかむための努力を続けることです。そうすれば、『うちでコーチやらない?』『うちでトレーナーやらない?』、そんな声が自然とかかるのではないでしょうか?

— 指導者になりたいと考えている人々に望むことは。

杉田守 サッカーの技術的なことに関しては言わずもがなです。それよりもまず、本人がしっかりとした大人になることが大切だと思います。”挨拶をしっかりとする”のだけではなく、なぜ”挨拶をしっかりとする”のかを理解する、そのようなことが大事です。結果だけを求められるプロの世界は置いておいて、大学や高校、中学やもっと下のカテゴリーでも、指導者には生徒の人格教育が求められるからです。

— 日本では学校の先生をしながら部活の顧問をする、そのような方々がたくさんいらっしゃいますからね。

杉田守 はい。私は専任でサッカー部を監督させていただいているので、勉学とサッカー、両方の指導にあたられている方々はすごいなと素直に思います。強いていえば、学校の先生の勉学の指導は、私で言えば生徒の就職の応援にあたるのかもしれませんね。

— 話が少し変わります。選手のスカウトやセレクションの際に、監督が一番重要視していることはなんでしょうか?

杉田守 技術はもちろんのこと、一番重要視するのはその選手が本学でプレーしたいか否かです。立正大学サッカー部を強くしたい、立正大学サッカー部でプレイがしたい、そういった強い気持ちを持った選手を選ぶようにしています。

— では選手が二人いるとします。他大学進学を迷っている技術に勝るA君と、貴校への進学を熱望するが少し技術に劣るB君です。そんな時監督はB君を選ぶということでしょうか?

杉田守 そうです。強い気持ちが見られない選手は大学でサッカーをやめてしまうケースも少なくありませんので。もっとも、スーパープレイヤーは強豪校に流れてしまうという現実もあります。苦笑

— ありがとうございます。次にチームの運営についてお聞きします。現場の運営はどのような体制、どのような方針で行われているのでしょうか。

杉田守 現在はコーチ陣に全面の信頼を置いた体制をとっております。つまり、練習の方法やチームの戦術にあまり口を挟まないようにしています。私が指導者としてまだキャリアの浅かった時代は、1から10まで自分が執り行おうとしていましたが、現在は違います。コーチ達を心から信頼していますし、チーム内外の関係を円滑にする役割の方が、自分に向いていると気づいたこともあります。もちろん練習には欠かさず参加しますが。”人を活かせる組織作り”というのを意識して仕事をしているのもあります。

— 海外の指導現場の視察もなされるとのことですが、日本のサッカー教育との違いはどのような部分に現れているのでしょうか。特に、小学生や中学生といった、下のカテゴリーのお話を伺いたいです。U13やU15あたりまでのカテゴリーでは、日本は世界にも引けを取らない強さです。しかし、高校や大学といったカテゴリーになると途端にヨーロッパ勢にその地位を逆転される理由が知りたいのです。

杉田守 そうですね。一概には言えません。しかし、サッカー教育の現場で確実に違いがあるとすれば、休養のとりかたです。これはオランダで統計が出ているので確実に言えることなのですが、365日みっちりと練習に取り組むのは選手個人の成長を阻害します。成長期の選手の体は、当然ながら成長を欲します。疲労の回復にばかり選手の体を費やしていては、身長の伸びなどという、成長期の人間が当然必要とするものを阻害してしまうのです。根性論的な指導が全くダメだとは言いません。しかし、肉体を酷使する練習ばかりを強いるのではなく、休養の期間には、先ほど申し上げたように、人格教育やコミュニケーション能力の向上に向けた指導など、その選手が大人になった時に社会で活躍できる人間作りの時間を設けるのも、今後必要になっていくのではと考えます。