ラニエリサッカーの体現
もうひとつの要因としてはラニエリが求めたサッカーを体現できたことであろう。以前、ラニエリがインテルの監督を勤めたときに『長友のような選手が11人いれば良い』というようなコメントをしていた。私は半ば日本人向けに言ったリップサービスであったと当時思ったが、これはあながち本当のことであったように思える。
全線から最終ラインまで全ての選手がハードワークをこなし、最後まで走りきれるチームを作った。全線から厳しいチェイシングを仕掛け、奪ってから素早く攻撃に繋げるサッカー。そんな中でバーディーが得点を量産したことは優勝に欠かせない要因であるが、各チームレスターのこの戦いの対策が立てられないままシーズンが終わった。正直レスターの試合を見てみると、プレミアリーグ覇者の試合を見ているようなチームではない。試合内容も下位チームと戦うときも圧倒的な試合であったことはほとんどない。それでもGKシュマイケルを中心に最後の最後で失点しない守備。カンテ、ドリンクウォーターは豊富な運動量で最終ラインから最前線まで顔をだし攻守両面で抜群の存在感を放った。特にカンテは全盛期のマケレレを彷彿とさせるような出来で、無くてはならない唯一無二の選手であったことは間違いないだろう。
また攻撃の中心を担ったマフレズはレスターの中では特筆的な選手で攻撃のリズムを変えることができる選手であった。そしてツートップの岡崎、バーディーは全線から激しいチェイシングを仕掛け、バーディーは高い決定力でチームを幾度となく勝利に導いた。試合に出ている選手が全員ハードワークをこなし、相手に自由を全く与えないサッカーをラニエリはやりきった。ラニエリのサッカーを選手も理解し、体現させたことが今シーズン優勝できた要因であろう。