53〗Hristo Botev Stadium / プロブディフ

真夏に炎天下で撮影する 驚異のコスプレ·イベントに初潜入

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何年かぶりにお盆に仕事をせず休みを満喫した。新橋のガ-ド下で元職場の同僚と昼間からジョッキを傾け旧交を深める。暑さで汗と共にアルコ-ルも流れ出たので東京ビッグサイトまで足を延ばすことに。《コミックマーケット106》が開催されており、普段接することのない人達の波に揉まれてきた。イベント終了後
今回のカバ-写真を撮影したのだが、彼女はカナダから来たのだとか。
日本発のコスプレは今や世界中の若者に浸透したサブカルチャーである。それにしても若者達が大人向けのアニメのキャラクタ-に扮していると思われるが、まったくわからん。十五年前ならばこの時期息子と『NARTO』や『名探偵コナン』を観るため劇場に足を運んだし二十年前はピカチュ-とサトシの活躍を家族三人で楽しんでいた。
黄色に黒が差し色のピカチュ-カラ-。第53話はブルガリア第二の都市プロブディフにあるボテフの本拠地。
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新スタジアムでは“初”となるプロブディフダービー開催

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日本では11月3日が自由と平和を愛し文化をすすめる《文化の日》でお休み。薔薇とヨーグルトの国ブルガリアにもカルチャーの日は五月にあるのだが、11月3日はごく普通の金曜。週末のプロブディフにおいてボテフとロコモティフのダービーマッチがフリスト·ボテフ·スタジアムで開催されたのは一昨年の秋。
レアル·マドリードの会長を務めたサンティアゴ·ベルナベウ:Santiago Bernabéu【1895年6月8日生-1978年6月2日没】も現役時代はストライカー。エルンスト·ハッペル:Ernst Happel【1925年11月29日生-1992年11月14日没】もヨハン·クライフ:Johannes Cruijff【1947年4月25日生-2016年3月24日没】も選手·指導者の両方で名声を博した。
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しかしフットボールに関係していない偉人の名前を冠しているスタジアムも少なくはない。第五十話ではキプロスのパフォスを取り上げたばかり。ペップのシティが悲願のビッグイヤーを掲げたイスタンブールの競技場も。ところがブルガリアではスタジアムどころか複数のクラブがボテフを名乗るから紛らわしい。それほど詩人にして革命家、フリスト·ボテフ:Hristo Botev【1848年1月6日生-1876年6月1日没】の存在はブルガリア国内では大きく、五百年もの長きに渡るオスマン帝国の支配からの独立は、同国の歴史における最大の偉業と崇めらているのにも納得。となれば、まずはスタジアム前のボテフ像に一礼してから場内へ。ボテフはバルカン山脈の麓にあるプロブディフ県カラフェルの出身。バルカン山脈の最高峰もボテフと命名されている。


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1961年に完成したこのスタジアム。FCステアウア·ブカレストとの杮落としから半世紀以上の年月を重ね、栄光と挫折、光と影がピッチ上を駆け抜けた。財政難により三部リーグ降格を経験したのは2010年。翌年二部、更に翌年と最短での一部への復帰。そして’14年からは新スタジアム建設に着手する。随分手間取ってはいるが、どうにか屋根付きのスタンドとイエロー一色の18,500席の設置が完了した。
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