Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 293

Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 294
no-image

クラブW杯準々決勝、マゼンベVS広島〜世界へ向けての紫の存在証明

 後半、先制したサンフレッチェは相手の個人能力に手を焼いたサイドからの攻撃に対してはシャドーとウイングバックがセットで2重マークで対応。リードした状況を守備面の余裕に活かして、より安定的に試合を運ぶ事が可能に。

 すると56分、相手が選手交代も含めて攻撃的に来る中で落ち着き始めた時間帯。右CKで茶島のキックからニアサイドのDF千葉和彦が高い打点で合わせたヘッドが決まって0-2。最適な時間帯でムードメイカーが追加点を挙げる。

 この2点目でマゼンベの集中力は著しく落ち、ベンチも選手交代を早々と3枚切り終わって挽回しようと試みるも、完全にリトリートしたサンフレッチェの守備を崩す事は難しくなっていく。

 逆にサンフレッチェは前がかりになった相手の裏を突く攻撃からドウグラスが抜け出してGKと1対1など決定機を創出。この日はドウグラスの決定力に難があったものの、ダメ押し点は“広島らしい”低い位置から的確にパスを繋いでいく「ポゼッションサッカーによるカウンター」から生まれる。

 78分、サンフレッチェは左サイド自陣ゴールライン際から、ボールを奪いに来るマゼンベの選手達をいなすようにシンプルに短いパスをテンポ良く繋いでいく。佐々木翔→柏好文→森崎和幸→柏と繋ぎ、センターサークル付近の青山敏弘へ。青山が完璧なボールタッチでトラップすると、逆サイドをフリーで駆け上がったミハエル・ミキッチへ絶妙な浮き球パスを配給。ゴールライン付近まで持ち込んだミキッチは柔らかいクロスをゴール前へ上げると、途中出場のFW浅野拓磨が合わせるだけのヘッドで仕留めて0-3。

 その後も、浅野が1人で自慢のスピードでアフリカ王者相手を切り裂くような鋭い攻撃を見せながら、守備時は<5-4-1>のブロックでスペースを消して対応。見事に開幕戦に続く完封勝利でサンフレッチェが準決勝進出。サンフレッチェは16日の水曜日に南米王者のリヴァープレート(アルゼンチン)と対戦する。

 先発メンバーを大幅に変えながらの2試合連続完封勝利。この日は大抜擢したMF茶島の活躍も光っていた。この試合の相手の特徴を考えれば、野津田や柴崎よりも茶島の方が良かったと言えるほどの適材適所の人選だった。森保監督の采配も冴え渡っている。

 ゴール裏席にいた筆者の近辺では「涙が出た」と試合中に漏らす声も聞かれた快勝だった。完璧な試合運びを見せたサンフレッチェが、“世界へ向けての紫の存在を証明した試合”だった。