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J1リーグ第28節、ガンバ大阪VS川崎フロンターレ~取捨選択の7連勝も、スタイルとは誰のモノ?

 追う川崎は70分。”ファンタスティック6”の再結成。森島に替えて森谷が入ると、FWに配置されフィニッシュに特化された小林の鋭い動き出しや、森谷が加わった中盤は流動性が増し、「どこでボールをキープし、どこにスペースがあり、どこを崩すか?」がチームで共有されている感覚が伝わってくるファンタステイック6の仕掛けと崩しにガンバは圧倒されました。

 それでもDFラインとGK東口との連携が完璧で、中村や大島からのスルーパスには鋭さへ精度、アイデアが溢れていたものの、特に丹羽の読みの鋭いカヴァーリングと最後の寄せに対する集中力が素晴らしく、途中出場の”守護聖人”明神も危険なスペースを埋めて抵抗。
 川崎の波状攻撃が続いた80分、左サイドのレナトにボールが渡り、ゴール前に走り込む小林にグランダークロスがピタリ。しっかり右足でミートされた小林のシュートが流し込まれ・・・・・る前に、東口の手が急に現れて抑え込むビッグセーブも飛び出し、追加タイムにもクロスに大島が飛び込むピンチがありながらも川崎の決定力の欠如にも助けられて守り切ったガンバ。

 10年ぶりの7連勝で、この日敗れた首位・浦和レッズとの勝点差は4となるリーグ2位で残り6試合を戦います。

「スタイルとは誰のモノ?」~勝つための鹿島流か?川崎の失速も理解できるパスサッカーか?

 10年ぶりの7連勝で3冠の可能性も現実味を帯びて来たものの、最近のガンバらしく守り切った試合。「自分達のサッカーではない」などと言いながら、もうすでに守り勝つ方が「自分達のサッカー」になっているのが現在のガンバ。でも本当にコレでいいのか?
 良いのか悪いのか?というよりも、この日対戦した川崎も風間監督就任によってスタイルさ一変しているチーム。スタイルとはクラブやチームが持つモノではなく、監督が持つモノというのがJリーグの中での共通認識なのか?それとも勝つ事だけが優先されるからこうなるのか?

 この視点についてはもっと深い事を書きたいのですが、ここではガンバにスポットライトを当てるとどうなるのか?

 あの”黄金の中盤”が作り出したサッカーというのは、西野監督のモノだったのか?
 それともあの時代の選手のモノだったのか?
 それともガンバというクラブのモノだったのか?

 おそらくクラブやチームのモノではなかった事がガンバを観ていると思うのですが、皆様はどう思われているのでしょうか!?

 以前にブログでアンケート集計すると、やはり現在のガンバに「攻撃的」や「ポゼッション」「パスサッカー」というイメージはなく、「攻守のメリハリ」「攻守の切り替え(トランジション)の速さ」が武器だという声が圧倒的多くを占めました。
 
 サッカーとはどのチームもピッチの上に11人しか送る事はできません。どこかを修正しようとすると、今まで機能していた部分が機能麻痺を起こすスポーツです。得点が多くても失点が多く、守備を修正したつもりが得点数まで減った、というのが今季のガンバの前半戦であるのもその象徴。アルベルト・ザッケロー二体制からハビエル・アギーレ体制に替わった日本代表も同様で、特に今の日本代表はJ2に降格しても苦戦し、つまらない試合を続けていた1年半前頃までのガンバに酷似しています。

 また、現在の川崎のような戦い方は連携面の熟成の面から選手層は薄くなる傾向がある事をガンバは知ってもいます。”ファンタスティック6”とは言っても、あの6人でないとあのサッカーが出来ないというのは、ガンバが”黄金の中盤”でしか出来なかったのと同様で、ガンバはその過程で家長昭博や寺田紳一があの4人に割って入る事が出来ませんでした。結果として選手層が薄くなり、終盤戦で疲労が濃くなり失速するパターンは現在の川崎そのもの。また、川崎もあのサッカーで勝ち切らないと意味がない。ましてやクラブ史上無冠のチームですから。ただガンバと違って始めからJリーグにいたチームでない事や、以前のように外国人に頼ったチームではなく日本人が軸となっているのはガンバは称えないといけないとも思います。こうした会話がガンバと川崎のサポーター間で交わされる事が日本サッカーのレベルアップに繋がるのでしょうが、ないんでしょうね。あと、昨日は万博でよく聞いた「この2チーム似ている」という観方も少し違うか、と。今のガンバに最も似ているのは鹿島でしょうね。そして、この戦い方がJリーグでは最も勝ちやすいのがその証明になる気がします。

 スタイルの優位性はともかく、現在の日本代表の戦いぶりに対しての免疫と発展プロセスを最も理解・想像できるのはガンバサポーターだと思うので、それを「つまらない」とか「代表に呼ばれてない」だけの無関心では終わらせて欲しくないと思います。おそらくこういう行為がガラパゴス化を生むでしょうから。

では最後に”最後の個人採点”をお楽しみ下さい☆
<選手個人採点>

先発出場
選手 採点 一言
GK東口順昭 7.0 神様・仏様・東口様。何が勝負を分けたかと言われれば、実質はGKの能力。80分の小林のシュートを防いだ場面は凄まじかった。今季リーグ12試合目の完封。
DF米倉恒貴 6.5 値千金のゴールを意表を突いたCKからゲット。”待つ守備”を選択したのも彼にとっては良かった。おかげで不得意なビルドアップもほぼ無かった。
DF丹羽大輝 7.0 岩下の裏を狙われる中で読みの鋭さ、ボランチとの連携でバイタルを消しながら後方の対応もこなした。この折衝力は営業マンにも向いている?
DF岩下敬輔 6.0 明らかにパスを回しながらスルーパスを狙う相手を苦手にしている。内田との連携でバイタルのケアに強さを見せたものの、森谷が先発だったら危なかった。西野とのCBコンビならズタズタにされたのではないか?
DFオ・ジェソク 6.5 早い時間の警告でも積極性を落とさず、韓国人魂の良い部分を表現してくれている。小林の抜け出しには苦労したが、岩下のカヴァーリングで貢献していたためでもある。
MF遠藤保仁 6.5 セットプレーの妙で今季12アシスト目でアシスト王も視野に。バイタルをケアし、レナトや大久保、大島を自由にさせずに対応しながら的確な展開力でコントロール。
MF内田達也(66分まで出場) 6.0 いきなりの警告も、DFラインとの連携やFWへのプレッシングのコーチングなど自分の間合いで守備が出来た良い試合をこなした。
MF阿部浩之(85分まで出場) 6.0 レナト対策で守備に黙殺。もちろん攻撃でも絡み、戦術面で不足は何もないが、それだけだった。もうそれだけでは満足させられない域に来た事が成長。
MF大森晃太郎 6.5 宇佐美に見えた鋭い突破が光る。コンディションの良さが感じられ、負傷上がりとは思えない出来。
FW宇佐美貴史(78分まで出場) 5.5 これぐらいで無得点に抑えられるの最近アシストと言ってパトリックを頼りにしすぎていたのではないか?
FWパトリック 5.0 完全にパットリ作戦は機能せず。それでも突破力を発揮する場面もあったが、次節は佐藤と交代か?