スペインビ-ル とうもろこしの甘味は有りか無しか
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夏になるとビールを注文してカラオケで盛り上がる。自分の中では秋や冬のカラオケは有り得ない。然し季節感はないのに必ず歌うのが1977年にリリースされた『ルパン三世のテーマ』。銭月警部は実在しないがICPO=国際刑事警察機構は実際に機能しており、欧州で筆者のデータもインターポールで照合されたことがある。真っ赤な薔薇は♪で始まる歌詞。棘があるため日本では墓前に相応しくないとされる薔薇を欧米の葬儀で見掛けるのは文化·風習の違い。実は赤い薔薇で思い浮かぶ名曲がもうひとつ。「アンダルシアの青い空、グラナダの詩が聞こえた。」は真島昌利:Mashima Masatoshi【1962年2月20日生】の名曲。カバー写真のビールはセヴィージャの銘柄として知られるクルスカンポ。但しレアル·べティスのスポンサーとしての印象が強い、滞在中飲んでいたのがアドラーブロイ。2007年からマオウ·サンミゲルの傘下にあるグルポ·セルベサス·アルハンブラ社が醸造している。量販店で販売しているが伝統的な製法と厳選された原料への拘り、確かにこの価格ならば悪くはない。但しトウモロコシの甘味が強いのはスペインの他銘柄にも共通している。ホップの風味もイマイチだから、おそらくドイツ人には酷評されるはず。1925年グラナダで創業したアルハンブラ社。このビールは缶の裏側にコルドバの名前が記されていた。
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第58話はセヴィージャの本拠地エスタディオ·ラモン·サンチェス·ピスフアン:Estadio Ramón Sánchez Pizjuán。真っ赤な薔薇のように塗装が施されたスタンドと緑のピッチ、そして青空のコントランスが眩い。兎にも角にも獲得した優勝杯の数が多くて誇らし気。待ちに待った今季が開幕したのはよいが敵地でのビルバオ戦は兎も角、ホームでのヘタフェ戦でも黒星連敗は痛恨。現在のチームで期待しているのは年明け加入したスイス代表ルヴェン·ヴァルガス:Ruben Vargas【1998年8月5日生】。戦術が細かく語学力が重要視されるラリーガ。母親がドミニカ共和国出身の為か、スペインで暮らした事はなくともインタビューでの言葉使いに現地の方々も太鼓判を押していた。
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ワルシャワのスタンド true loveで真っ赤に燃え上がる
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セヴィージャ推しになったのは2015年のワルシャワ。イベリア半島の南端から三千三百キロもの距離をバスで移動して来た真っ赤なサポーター達が隣国からのサポ-タ-を圧倒した。この距離はフランスのツール·ド·フランスとほぼ同じ。日本は北海道から石垣島まで直線に結んでも三千キロ。東京からなら台湾よりも遥か南、フィリピンのマニラまで行ける。その遠距離をバスに積んで運んできたであろう巨大横断幕には『true love』の文字。自分の位置からではEの文字がきれてしまったのだが。確かに愛がなければ三千三百キロもの陸路移動は無理。スペイン語に訳すならば『amor verdadero』。敢えて英語表記したところに国際舞台で連覇を狙うクラブのプライドが感じられる。世界最古のモーターオイルメーカーとして知られるバルボリン(本社は米ケンタッキー州レキシントン)がセビージャとグローバルパートナー契約を結んだのも国際的な実績を評価すればこそ。
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