世界でも異彩を放つ存在がこのアスレティック・ビルバオだ。今夏は15年ぶりとのCL出場が決まっており、就任2年目の指揮官、エルネスト・バルベルデの実力が試さるシーズンとなる。
そんなビルバオはスペインのバスク地方出身者しかチームに加えないという独自のルールを設けている。
この方針はグローバル化の進む現代サッカーにおいて珍しく、私はロマンのようなものを感じる。同じ地域の選手が集い一つの目標のためにプレーする。サポーターからの支持も厚く、チームは一心同体といってもよいだろう。コミュニケーションもとりやすく、それがピッチ上にも活かせるのではないかと思う。
しかし、今夏は主力のプレーメーカー。エレーラをユナイテッドに放出。バスク純血主義という制約のある中、後釜には、アーセナルのバスク地方出身MF、アルテタの獲得を狙った。が、それは成らず。昨季チャンスをなかなかものにできなかったベニャがトップ下を務める。今夏は大物獲得とはならなかったようである。
思うように補強がいかなかったチームは、下部組織であるアスレティック・ビルバオBから若手をトップチーム入りさせた。伸び盛りともいえる彼ら若手の存在は頼りにはなるが、リーガの2大巨頭にどこまで食らいつけるかは未知数。
リーグとCLとの二足の草鞋となる今季、バスク人の選手たちと、監督たちには大きな期待と負担がのしかかるだろう