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武藤嘉紀が重宝される理由~日本代表初選出の将来性と稀少価値

絶好調の武藤が評価される理由

実績、将来性、稀少価値、戦術的柔軟性


 そんな中で圧倒的な注目を浴びるのがFC東京の武藤。現在も慶應義塾大学に在学する”大学生Jリーガー”という肩書もあって話題を独占しています。ガンバサポーターならば、リーグ前半戦の対戦で彼の特徴である驚異的な加速力を活かしたスピード溢れるドリブル突破と、積極的なミドルシュートという武器によりゴールを許しているので覚えている方々も多いでしょう。ゴール以上に彼の突破力や前線からのプレッシングも強烈だった事も印象に残っています。
 そんな彼は現在リーグ戦10無敗という好調なチームにあってブラジルW杯の中断明けとなるリーグ8試合で6ゴールを挙げるというチーム以上の絶好調です。持ち味の加速力とスピードをカウンターでより有効に使ったり、パスを引き出すオフ・ザ・ボールの動き出し、パスを受けてからの身体の向きと身のこなしなどには、インタビューからも聞き取れるインテリジェンス(知性)も見てとれます。
 また、FC東京の中で際立っているのは戦術的柔軟性でもあると言えます。ガンバ戦はその象徴のような試合でしたが、今季から就任したJリーグ初のイタリア人指揮官となったマッシモ・フィッカデンティ監督による部分もあるでしょう。
 彼が指揮するようになった今季のFC東京の基本的なゲームプランは、キックオフからペース配分よりもハイプレスを敢行して先制点を奪い、運動量も減少してくる後半半ばにはリードを活かして前に出てくる相手の裏を狙うカウンターから効果的な追加点を狙うというもの。基本布陣は【4-3-1-2】でスタートし、その場合の武藤はエドゥーや平山相太と2トップを組み、トップ下を担うのがMF河野広貴。システム上で”1”を担う彼はチームの中でもJリーグ中でも数少ない際立ったテクニックとアイデアを持った”ファンタジスタ”であり、FC東京は武藤よりも河野に攻撃面での自由を与える戦いを遂行しています。そのファンタジスタには常に自由を与え、負担を軽滅させているのが武藤。リードした後半半ばに中盤フラットの【4-4-2】へシフトすると、武藤はFWから左サイドMFへ入って十分な守備力で”4-4″の強固な守備ブロックの一端を担いながら、攻撃に切り替わるとスプリント(全速力)の落ちないドリブルで縦への推進力を見せて追加点や、キープによる時間稼ぎという戦術的柔軟性を披露しています。この点が勝負強さを重視するアギーレ監督に代表選出に至った理由なのではないか、と考えられるのではないでしょうか?